夢であるように -Day dreamer-
-γ0-
私、西園美魚は今テンションが高いです。
何故か?
岡崎先輩と春原先輩の本と、恭介さんと直枝さんの本が出来上がったからです。
実は今、リトルバスターズと演劇部の間では男子に内緒でBLブームがきています。
特に椋さんは朋友と言ってもいいくらいに話が合います。
調子にのって朗読、しかも録音までしてしまいましたが、協力してくれた来ヶ谷さんと朱鷺戸さんにはどれだけ感謝しても足りないでしょう。
さて…
今日は幸せな薔薇色の夢が見られそうです。
それでは…おやすみなさい。
―――
-γ1-
「理樹は相変わらず可愛いぜ」
「からかわないでよ、恭介」
「とか言って嬉しいんだろ?顔がにやけてるぜ」
「嘘!?」
「嘘だ」
「むー…恭介嫌い」
「俺は理樹好きだぜ」
「う…僕が欲しいのはLikeじゃないよ?ちゃんとわかってる?」
「もちろんさ。理樹を俺の溢れる愛で溺れさせてやるよ」
「溺れるなんて…もう手遅れだよ」
「あぁ、俺もだ…理樹、キスがしたい。いいか?」
「わざわざ聞いてこないでよ…僕もしたいから…いいよ」
「理樹…愛してるぜ」
「僕もだよ、恭介」
「「そこまでだっ!!」」
「な…岡崎!?」
「謙吾も…どうして?」
「どうして?よくもそんなことが言えるな直枝。俺から棗を奪ったくせに」
「え?」
「話は岡崎先輩から聞かせてもらった。恭介、お前一年の時に岡崎先輩と付き合ってたそうだな」
「え?」
「…」
「そのくせ、理樹が入学すると同時に別れた…恥を知れ恭介!」
「う、嘘だよね?」
「…すまん」
「恭介…」
「俺は棗を奪い返す為にきた。棗から離れろ直枝。棗の隣に相応しいのはこの俺だ」
「こっちへ来い理樹。恭介のそばにいては不幸になるだけだぞ」
「…」
「…俺は確かに寂しさを紛らわせたくて岡崎と付き合った。あの一年間は楽しかった。でもな、それでも俺は…理樹…お前が好きなんだよ」
「恭介…僕は…僕はっ」
「茶番もそこまでにしなよお前ら」
「春原!?どうして…」
「どうしてだって?欲しいものを手に入れる為に決まってるだろ?岡崎と棗は僕が貰う」
「なんだと…」
「僕はずっと二人が好きだった。例え自分の想いが届かなくても二人が幸せならよかった。なのに棗、あんたは岡崎を裏切った」
「…」
「そして岡崎、岡崎はそれでも棗を想って僕を見てはくれなかった」
「…」
「だから考えたのさ。そしたらね、ある人が教えてくれたよ。どっちも手に入れちゃえばいいって」
「春原先輩…」
「さぁ、この棗が直枝とキスしてる写真と、こっちの岡崎と棗がキスしてる写真をバラまかれたくなかったら」
「…好きにすればいいですよ春原先輩!」
「直枝?」
「理樹?」
「僕と恭介は愛し合ってるんです。僕は恭介の愛さえあれば周囲にどんな目で見られたって構いません!!」
「理樹、お前はそこまで恭介を…」
「…そうだ、好きにすればいい。俺には最愛の理樹がいるんだから何も怖くないぜ!!」
「棗…っ!」
「恭介!」
「理樹!俺達はこれからもずっと一緒だ」
「うんっ!」
「愛してるぜ」
「僕もだよ」
「やめ…」
『うぉぉぉぉっ!漲ってきやがったぜぇぇぇぇぇっ!!』
「「「「「っ!?」」」」」
『俺の筋肉がうなる!うなりをあげる!!これぞまさに筋・肉・革・命!!』
「な…」
「真人!?」
「ま、眩しいっ…」
「な、なんて筋肉だ…」
「凄く…大きいです…」
『見ろこの筋肉を!どうだ素晴らしいだろ』
「や、やべぇ…マジハンパねぇ筋肉だ…」
「凄すぎるよ…」
「悔しいが俺の負けだ」
「あれが筋肉神に愛された者の姿なのか…」
「後背筋が語りかけてくるっ!!」
『お前らもよ、喧嘩をやめて俺と一緒に筋肉しようぜ?』
「ま、マジかよ…」
「僕…オギオギしてきちゃったよ!」
「それは名案だな!」
「いっちょやるか!」
「筋肉さん!一緒に筋肉させてください!」
『おうよ!俺のはちと厳しいが、しっかりついて来いよっ!!』
「イヤッホォォォゥ!!」
「「筋肉イェイイェーイ!!」」
「「筋肉筋肉ぅっ!!」」
『やれば出来るじゃねぇか。いくぞ!今日は筋肉祭りだぁぁぁぁっ!!井ノ原最高ぉぉぉぉっ!!』
「「「「「イェーイ!!」」」」」
―――
-γ2-
「イヤァァァァッ!?」
…私はその日、史上最悪の夢を見ました。
―――
-γ3-
「う…」
寝不足です。あの筋肉な夢のせいで結局あの後寝られませんでした。
「よう西園」
「疲れてるみたいだな」
フラフラしていた私に話し掛けてきたのは恭介さんと岡崎先輩でした。
「寝不足でして」
「そうか、怖い夢でも見たか?」
「はい…恐ろしい夢…まさか」
まさかあの夢の原因は!?
「察しがいいな」
「楽しんでくれたか?」
やはり…
「私になんの恨みがあってこんなことを」
さすがに頭にきて二人を睨みつけます。
「とぼけるな。人を題材に好き勝手した揚げ句にそれをわざわざ聞かせやがって」
「っ…あ、あれを聞いたんですか?」
そ、そんな…
「聞かせたのはお前だろうが…昼寝してた俺達にイヤホンつけて。おかげでとんでもない夢を見たんだぞ」
「…は?あの…なんの話でしょうか?」
恭介さんはいったい何を言ってるんでしょうか?
「おいおい、今更とぼけるなよ。お前、昨日俺を探してたんだろ?」
「はい。出来上がった岡崎先輩の本を読んでもらおうかと」
杏さんと岡崎先輩を探して…グッスリお休み中でしたので取り敢えず寝顔を拝見しました。
「で、寝てたから代わりにイヤホンで」
「違います。寝ていたようでしたのでそのまま帰りました」
本当です。さすがの私もそこまではしません。
「…棗」
「…嘘をついてるようには見えんな。西園、アレの録音はお前が一人でしたのか?」
「いえ、機械は苦手なので来ヶ谷さんと朱鷺戸さんに…!?」
ま、まさか、そういうことなのでしょうか?
「そういうことか…」
「やってくれるじゃねぇかあの二人…」
お二人も気付いたようで好戦的な笑みを浮かべています。次回作に使えそうですね…
「西園、謝ってすむことじゃないがすまん」
「悪かった」
とお二人が頭を下げてきますが…
「構いません。ですが、もし悪いと思うなら協力していただけますか?」
お二人は被害者ですから悪くはありません。ですがここは協力してもらいましょう。
「何をだ?」
「…復讐です。あの二人にも私達と同じ目にあってもらいましょう」
見せてあげましょう。かつてない悪夢を。楽しみにしていてください、来ヶ谷さん、朱鷺戸さん。
「ふふふ…」
「やべぇ…岡崎、俺ちょっと西園が怖い」
「奇遇だな、俺もだ」
―――
私、西園美魚は今テンションが高いです。
何故か?
岡崎先輩と春原先輩の本と、恭介さんと直枝さんの本が出来上がったからです。
実は今、リトルバスターズと演劇部の間では男子に内緒でBLブームがきています。
特に椋さんは朋友と言ってもいいくらいに話が合います。
調子にのって朗読、しかも録音までしてしまいましたが、協力してくれた来ヶ谷さんと朱鷺戸さんにはどれだけ感謝しても足りないでしょう。
さて…
今日は幸せな薔薇色の夢が見られそうです。
それでは…おやすみなさい。
―――
-γ1-
「理樹は相変わらず可愛いぜ」
「からかわないでよ、恭介」
「とか言って嬉しいんだろ?顔がにやけてるぜ」
「嘘!?」
「嘘だ」
「むー…恭介嫌い」
「俺は理樹好きだぜ」
「う…僕が欲しいのはLikeじゃないよ?ちゃんとわかってる?」
「もちろんさ。理樹を俺の溢れる愛で溺れさせてやるよ」
「溺れるなんて…もう手遅れだよ」
「あぁ、俺もだ…理樹、キスがしたい。いいか?」
「わざわざ聞いてこないでよ…僕もしたいから…いいよ」
「理樹…愛してるぜ」
「僕もだよ、恭介」
「「そこまでだっ!!」」
「な…岡崎!?」
「謙吾も…どうして?」
「どうして?よくもそんなことが言えるな直枝。俺から棗を奪ったくせに」
「え?」
「話は岡崎先輩から聞かせてもらった。恭介、お前一年の時に岡崎先輩と付き合ってたそうだな」
「え?」
「…」
「そのくせ、理樹が入学すると同時に別れた…恥を知れ恭介!」
「う、嘘だよね?」
「…すまん」
「恭介…」
「俺は棗を奪い返す為にきた。棗から離れろ直枝。棗の隣に相応しいのはこの俺だ」
「こっちへ来い理樹。恭介のそばにいては不幸になるだけだぞ」
「…」
「…俺は確かに寂しさを紛らわせたくて岡崎と付き合った。あの一年間は楽しかった。でもな、それでも俺は…理樹…お前が好きなんだよ」
「恭介…僕は…僕はっ」
「茶番もそこまでにしなよお前ら」
「春原!?どうして…」
「どうしてだって?欲しいものを手に入れる為に決まってるだろ?岡崎と棗は僕が貰う」
「なんだと…」
「僕はずっと二人が好きだった。例え自分の想いが届かなくても二人が幸せならよかった。なのに棗、あんたは岡崎を裏切った」
「…」
「そして岡崎、岡崎はそれでも棗を想って僕を見てはくれなかった」
「…」
「だから考えたのさ。そしたらね、ある人が教えてくれたよ。どっちも手に入れちゃえばいいって」
「春原先輩…」
「さぁ、この棗が直枝とキスしてる写真と、こっちの岡崎と棗がキスしてる写真をバラまかれたくなかったら」
「…好きにすればいいですよ春原先輩!」
「直枝?」
「理樹?」
「僕と恭介は愛し合ってるんです。僕は恭介の愛さえあれば周囲にどんな目で見られたって構いません!!」
「理樹、お前はそこまで恭介を…」
「…そうだ、好きにすればいい。俺には最愛の理樹がいるんだから何も怖くないぜ!!」
「棗…っ!」
「恭介!」
「理樹!俺達はこれからもずっと一緒だ」
「うんっ!」
「愛してるぜ」
「僕もだよ」
「やめ…」
『うぉぉぉぉっ!漲ってきやがったぜぇぇぇぇぇっ!!』
「「「「「っ!?」」」」」
『俺の筋肉がうなる!うなりをあげる!!これぞまさに筋・肉・革・命!!』
「な…」
「真人!?」
「ま、眩しいっ…」
「な、なんて筋肉だ…」
「凄く…大きいです…」
『見ろこの筋肉を!どうだ素晴らしいだろ』
「や、やべぇ…マジハンパねぇ筋肉だ…」
「凄すぎるよ…」
「悔しいが俺の負けだ」
「あれが筋肉神に愛された者の姿なのか…」
「後背筋が語りかけてくるっ!!」
『お前らもよ、喧嘩をやめて俺と一緒に筋肉しようぜ?』
「ま、マジかよ…」
「僕…オギオギしてきちゃったよ!」
「それは名案だな!」
「いっちょやるか!」
「筋肉さん!一緒に筋肉させてください!」
『おうよ!俺のはちと厳しいが、しっかりついて来いよっ!!』
「イヤッホォォォゥ!!」
「「筋肉イェイイェーイ!!」」
「「筋肉筋肉ぅっ!!」」
『やれば出来るじゃねぇか。いくぞ!今日は筋肉祭りだぁぁぁぁっ!!井ノ原最高ぉぉぉぉっ!!』
「「「「「イェーイ!!」」」」」
―――
-γ2-
「イヤァァァァッ!?」
…私はその日、史上最悪の夢を見ました。
―――
-γ3-
「う…」
寝不足です。あの筋肉な夢のせいで結局あの後寝られませんでした。
「よう西園」
「疲れてるみたいだな」
フラフラしていた私に話し掛けてきたのは恭介さんと岡崎先輩でした。
「寝不足でして」
「そうか、怖い夢でも見たか?」
「はい…恐ろしい夢…まさか」
まさかあの夢の原因は!?
「察しがいいな」
「楽しんでくれたか?」
やはり…
「私になんの恨みがあってこんなことを」
さすがに頭にきて二人を睨みつけます。
「とぼけるな。人を題材に好き勝手した揚げ句にそれをわざわざ聞かせやがって」
「っ…あ、あれを聞いたんですか?」
そ、そんな…
「聞かせたのはお前だろうが…昼寝してた俺達にイヤホンつけて。おかげでとんでもない夢を見たんだぞ」
「…は?あの…なんの話でしょうか?」
恭介さんはいったい何を言ってるんでしょうか?
「おいおい、今更とぼけるなよ。お前、昨日俺を探してたんだろ?」
「はい。出来上がった岡崎先輩の本を読んでもらおうかと」
杏さんと岡崎先輩を探して…グッスリお休み中でしたので取り敢えず寝顔を拝見しました。
「で、寝てたから代わりにイヤホンで」
「違います。寝ていたようでしたのでそのまま帰りました」
本当です。さすがの私もそこまではしません。
「…棗」
「…嘘をついてるようには見えんな。西園、アレの録音はお前が一人でしたのか?」
「いえ、機械は苦手なので来ヶ谷さんと朱鷺戸さんに…!?」
ま、まさか、そういうことなのでしょうか?
「そういうことか…」
「やってくれるじゃねぇかあの二人…」
お二人も気付いたようで好戦的な笑みを浮かべています。次回作に使えそうですね…
「西園、謝ってすむことじゃないがすまん」
「悪かった」
とお二人が頭を下げてきますが…
「構いません。ですが、もし悪いと思うなら協力していただけますか?」
お二人は被害者ですから悪くはありません。ですがここは協力してもらいましょう。
「何をだ?」
「…復讐です。あの二人にも私達と同じ目にあってもらいましょう」
見せてあげましょう。かつてない悪夢を。楽しみにしていてください、来ヶ谷さん、朱鷺戸さん。
「ふふふ…」
「やべぇ…岡崎、俺ちょっと西園が怖い」
「奇遇だな、俺もだ」
―――
09/11/11 04:11更新 / ナハト