第三話
IFの世界
第三話
「そろそろ、いいかな恭介氏」
「……私達にも紹介して欲しいのですが」
「私もお話したいですー」
「りんちゃんからお話聞いてるよ〜」
と、そうだこいつらにも紹介しなけりゃな。
「理樹、こいつらは今のリトルバスターズのメンバーだ」
「あ、初めまして直枝理樹です」
「初めまして理樹君。私は…」
「来々谷さんですよね?」
「あ、ああ、その通りだ」
来々谷がチラリとこちらを見るが目で「俺は知らん」と返した。と言うか俺も正直ビックリしている。
「星の髪飾りを着けてるのが小鞠さんで、カチューシャが西園さん、蝙蝠の髪飾りがクドさん。あと別のクラスでサイドツインテールが葉留佳さんだよね、鈴」
「うん、正解だ」
何だ、鈴が教えただけか。鈴が教えた…だ…け…?
「ちょちょちょちょっと待て」
「何だ馬鹿兄貴」
「恭介どうかした?」
「この学校も理樹の行ってた女子高も寮制だし。鈴は中学の時は携帯持ってなかったし。手紙なら俺も郵便受けくらい見るからさすがに気がつかないわけが無い」
「それがどうかしたのか?」
「お前らどうやって連絡を取り合えたんだよ!?」
「お前に教える必要は無い」
「グッハァ!!」
俺は吐血した。吐血して倒れた。倒れる間際に真人と謙吾の哀れむ目が見えた。 理樹が俺のもとに来る。傷ついた俺には理樹が天使に見えるぜ。理樹さんマジ天使。
俺は理樹の力を借りて立ち上がった。
「えっとね恭介、実は…」
一年前の1月6日(理樹、鈴、真人、謙吾は中学3年生。恭介は高校1年生)
『お前ら、この時期はいっつも神社(ここ)だな』
鈴の足元に大量の猫が集まる。三が日も過ぎた神社では、石段に座り大量の猫のブラッシングを始めようと注意する人もいやな顔をする人もいないため鈴もこの時期のこの場所は好きだった。
『今日はそんなに寒くも無いしな、ゆっくり丁寧にやってやるぞ』
鈴がブラッシングをやり始めてから数十分ほどたったころ。
『もしかして…鈴?』
そうして、鈴と理樹は再会した。
「その時に僕の携帯番号とメールアドレス教えといたんだけど」
「妹よ、何故教えてくれなかったんだ?」
「というかあたしは話したぞ」
鈴の一言に俺は固まる。必死に思考回路を巡らすも全く覚えが無い。一年前の1月…一年前…ハッ!
「思い出したか?」
これは、駄目だ!言えない!
正直、鈴や真人、謙吾だけならばこの事を言っても鈴に罵られ笑い話になるだけで済むのだが。…来々谷や西園は楽しみながら抉ってくるだろうし、理樹、小鞠、クドは素直に怒ってくるだろうし。絶対に言えん。
「恭介?」
俺がしかめっ面で悩んでいると理樹が心配そうに声をかけてきた。止めてくれ、そんな目で俺を見ないでくれ。俺は俯いて理樹から視線を外した。
理樹は何も言わずにジッと俺を見てる。いや、理樹だけじゃないリトルバスターズもこのクラスのモブキャラたち(そう言えば自習とはいえ授業中だったな)も、みんなが俺のことを見ている。いいぜ、俺だって男だ!
俺はスッと顔を上げた。そしていい顔で言った。
「実は…ゲームに集中してて聞いてなかった!!」
「開き直りすぎだボケーーーーー!!」
鈴のハイキックが俺の顎を打ち抜く。かなりキツイ一撃だったが何とか踏みとどまる。
「恭介さんよ、それは無いと思うぜ」
「同感だ、申し訳なさそうに言ったならまだ笑い話に出来たが、それだけいい顔で言われるとな」
何だと!?悩んだのが仇になったか。
「大切な仲間との話を聞いてなかったくせにその顔とは、落ちたものだな恭介氏」
「からかおうと言う気持ちすら吹き飛びましたね」
「悪いことは悪いって認めなきゃ駄目ですよ」
「理樹ちゃんが可哀想だよ〜」
「…恭介」
「理樹、すまn…」
俺は脳震盪で倒れた。「すまない、悪かった」ぐらい言ってから倒れろよ俺。
「恭介?恭介!」
理樹が叫んでるのが聞こえる。叫んでる声がどんどん遠くなる。そして俺の意識は闇に消えた。
第三話
「そろそろ、いいかな恭介氏」
「……私達にも紹介して欲しいのですが」
「私もお話したいですー」
「りんちゃんからお話聞いてるよ〜」
と、そうだこいつらにも紹介しなけりゃな。
「理樹、こいつらは今のリトルバスターズのメンバーだ」
「あ、初めまして直枝理樹です」
「初めまして理樹君。私は…」
「来々谷さんですよね?」
「あ、ああ、その通りだ」
来々谷がチラリとこちらを見るが目で「俺は知らん」と返した。と言うか俺も正直ビックリしている。
「星の髪飾りを着けてるのが小鞠さんで、カチューシャが西園さん、蝙蝠の髪飾りがクドさん。あと別のクラスでサイドツインテールが葉留佳さんだよね、鈴」
「うん、正解だ」
何だ、鈴が教えただけか。鈴が教えた…だ…け…?
「ちょちょちょちょっと待て」
「何だ馬鹿兄貴」
「恭介どうかした?」
「この学校も理樹の行ってた女子高も寮制だし。鈴は中学の時は携帯持ってなかったし。手紙なら俺も郵便受けくらい見るからさすがに気がつかないわけが無い」
「それがどうかしたのか?」
「お前らどうやって連絡を取り合えたんだよ!?」
「お前に教える必要は無い」
「グッハァ!!」
俺は吐血した。吐血して倒れた。倒れる間際に真人と謙吾の哀れむ目が見えた。 理樹が俺のもとに来る。傷ついた俺には理樹が天使に見えるぜ。理樹さんマジ天使。
俺は理樹の力を借りて立ち上がった。
「えっとね恭介、実は…」
一年前の1月6日(理樹、鈴、真人、謙吾は中学3年生。恭介は高校1年生)
『お前ら、この時期はいっつも神社(ここ)だな』
鈴の足元に大量の猫が集まる。三が日も過ぎた神社では、石段に座り大量の猫のブラッシングを始めようと注意する人もいやな顔をする人もいないため鈴もこの時期のこの場所は好きだった。
『今日はそんなに寒くも無いしな、ゆっくり丁寧にやってやるぞ』
鈴がブラッシングをやり始めてから数十分ほどたったころ。
『もしかして…鈴?』
そうして、鈴と理樹は再会した。
「その時に僕の携帯番号とメールアドレス教えといたんだけど」
「妹よ、何故教えてくれなかったんだ?」
「というかあたしは話したぞ」
鈴の一言に俺は固まる。必死に思考回路を巡らすも全く覚えが無い。一年前の1月…一年前…ハッ!
「思い出したか?」
これは、駄目だ!言えない!
正直、鈴や真人、謙吾だけならばこの事を言っても鈴に罵られ笑い話になるだけで済むのだが。…来々谷や西園は楽しみながら抉ってくるだろうし、理樹、小鞠、クドは素直に怒ってくるだろうし。絶対に言えん。
「恭介?」
俺がしかめっ面で悩んでいると理樹が心配そうに声をかけてきた。止めてくれ、そんな目で俺を見ないでくれ。俺は俯いて理樹から視線を外した。
理樹は何も言わずにジッと俺を見てる。いや、理樹だけじゃないリトルバスターズもこのクラスのモブキャラたち(そう言えば自習とはいえ授業中だったな)も、みんなが俺のことを見ている。いいぜ、俺だって男だ!
俺はスッと顔を上げた。そしていい顔で言った。
「実は…ゲームに集中してて聞いてなかった!!」
「開き直りすぎだボケーーーーー!!」
鈴のハイキックが俺の顎を打ち抜く。かなりキツイ一撃だったが何とか踏みとどまる。
「恭介さんよ、それは無いと思うぜ」
「同感だ、申し訳なさそうに言ったならまだ笑い話に出来たが、それだけいい顔で言われるとな」
何だと!?悩んだのが仇になったか。
「大切な仲間との話を聞いてなかったくせにその顔とは、落ちたものだな恭介氏」
「からかおうと言う気持ちすら吹き飛びましたね」
「悪いことは悪いって認めなきゃ駄目ですよ」
「理樹ちゃんが可哀想だよ〜」
「…恭介」
「理樹、すまn…」
俺は脳震盪で倒れた。「すまない、悪かった」ぐらい言ってから倒れろよ俺。
「恭介?恭介!」
理樹が叫んでるのが聞こえる。叫んでる声がどんどん遠くなる。そして俺の意識は闇に消えた。
10/06/13 19:15更新 / ツチノコ