Panzer -心に装甲を、キミには花を-
もう、笑うことも出来なくなるだろう。 目の前には、高そうな石。 軽く鏡面仕上げのそれに映る僕の顔は、曇り空みたい。 手にしたバラの花束は、何も語らず。 誰も守れなかった。誰も救えなかった。 ズキズキ痛むのは、キズじゃない。胸の痛みなんだ。 最初は何も分からず、何も受け入れられず、ただ泣くばかり。 だけど、ある日不意に気付いたんだ。 ---最初から何もなかったことにすれば、いいじゃないか--- 誰かが言っていた。 『見なかったことにしよ〜』 そうだ。見なかったことに、知らなかったことにすればいい。 だれもそれを咎めないし、咎められる人はいない。 だから、僕は記憶からキミを、みんなを、消すことにする。 僕は最初から独りぼっちで、泣いてばかりの男の子だった。 手を差し伸べてくれた仲間達も、夏の蜃気楼が僕に見せた幻。 そう、全部幻。 ---本当に、それでいいのかい?--- 誰かが言うけど、気にしない。 僕は最初から独りなんだ。 これまでも、これからも、この先も。 怖くなどない。僕はもう、恐れない。 墓石に誓う、強さの証。 僕は、きっと。 ------------------------------ 物語の始まりは、事故の後。 理樹以外の登場人物は、みんな死んでいます。 2-Eは解散となり、理樹だけ別クラスへの編入。 お話は基本として理樹×佳奈多 時々オリキャラ。 全てを忘れ、最初からなかったことにしよう。 現実を放棄して、喜怒哀楽という感情を捨てた理樹。 見ていられない佳奈多だけど、今更何をしてやれる。 そんな思いが彼女の手を止めてしまう。 すれ違う二人。そして、新しい出会い。 交差する思いは、重なり合える? 理樹は、また笑える? 相坂のサイトの裏ページで公開しているダークエロスSS。 ちょうどアレを書く前に全年齢対象のSSを作る予定で、 これをちょっと書いていたのですが、この度大放出。 期待せずに読んで下さいな。相坂でした。 | ||
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