読切小説
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「あいさかけ」番外編のおまけ
【語り:スイ】

ある日の昼下がりの〜ことじゃった〜。
あれー、あたしおばあちゃんじゃないんだけどなー。
そんなジャペェン!オールドトークなんかされても。
ん。あれ、ルー大○になってなかった?
なーんてことをつぶやきながら歩くお昼のオフィス街。あぁ、あたし生きてる。

で、知ってる?
何気に「ああそんな」ってたて読みになってたのさ!

今日も今日とてデスマーチなあたし。
いーかげん疲れたのでお茶するついでにナハトをしばき倒してやろうと釘バット片手に会社を出たまではいいんだけど、おまわりさんの目が痛くて釘バットを近くにいたセンターGUYさんにあげちゃった。
あの後悪用されてなければいいんだけど。
オフィス街のビルの谷間は、反射する太陽の光で地獄のよう。えぇい!魔王の力をもってすれば太陽なんか破壊できるんだぞ!
…その前にその力で心頭滅却しろ、ってナハトが言った気がする。うん、あとでぶっとばーす。

で、そんな危ないことボヤきながら歩いていると。
「あ、時流ちゃんだ」
上はキャミ、下は黒のデニムにライドブーツ、頭にはテンガロン、あんたはどんだけ扇情的なカウガールなんだ!と遠くからツッコミ入れたくなる時流ちゃんが、マックシェイク片手にブラブラ。
その後ろからは笑夢さんと…えーと、アキちゃんだっけ?最近引っ越してきたばかりの子を連れている。
「むむむ。これは事件のかほりだ!」
ハゲ部長には女の子の事情で直帰するかもしれません!マル!と伝えているから、怒られる心配はなし!あたしはさっそく時流ちゃんを追尾することに決めたのだった。


【ときるん☆びゅー】

時流「もう笑夢姉さん?いい加減機嫌直しなさいよ」
笑夢「ブツブツ……ゆりちゃんのいないお買い物なんて拷問です」
アキ「私がいるじゃないですか」
笑夢「ブツブツ…姉キャラはいい加減飽和状態ですよ…」
時流「重症ね」
そもそも笑夢姉さんがこうなった理由?

教員ってね、夏休みも仕事してるのよ。生徒と同じ時間休めるわけじゃない。昨日だって陸上部が大会に向けての練習をするからって残って、その前は野球部が来年こそ甲子園の土を踏む!と猛特訓をするからって出勤して。その前は…あぁもう忌々しい!
そんなあたしと笑夢姉さんだけど、今日は珍しく仕事が速く終わったので、久々の姉妹水入らずのお買い物。
だったはずが。

笑夢『ゆりちゃんが来ないなら行きません!』
と駄々をこねる始末。
そもそも今日は水着を見に行こうという話をしていたのにね。
ゆりはスク水で十分だっての。むしろそれ以上の需要があるとするならばロリキャラなんてみんなこの世から消滅するでしょうね。
それにゆりはカズ坊とデート?というよりあのヘタレ野郎にエスコートなんざ出来るのかしら。ゆりに引っ張られてヘトヘトになってる姿が目に浮かぶわ。ってことで二人で外出中。呼び戻そうとする笑夢姉さんを黙らせて二人で出てきたってわけ。
で、途中で最近越してきたばかりのアキちゃんと遭遇。そのまま一緒に来たってワケなの。

笑夢「ぶつぶつ…太陽が忌々しい…」
アキ「それは同意です…」
時流「だからアイスやシェイクが美味しいんじゃない」
笑夢「ゆりちゃんの汗のほうがもっと甘い芳香と味でハァハァ」
この姉、ついに末期か?
そろそろ人格矯正プログラムでもしないといよいよ危ないんじゃないか?なんて思っていると。
時流「あらスイ姉さん」
スイ「えー。まだ60m先なのによくわかったねー」
時流「存在感よ」
スイ姉さんも合流した、というよりこの辺で何かよからぬことをしてるとニャハトから聴いてたから。
スイ「人間界では人間らしくしなきゃダメなんだよ?」
アキ「?」
時流「ううんなんでもないわ。さ、行きましょ」
そういってあたしは話を中断させ、先を急いだのだった。


【スイビュー】

で、時流ちゃんが案内してくれたのは。
スイ「へー。水着の即売会なんだー」
時流「えぇ。そろそろ新調したくて」
デパートの1階で絶賛開催中の水着の即売会。
この店のドコにこれだけの在庫があったんだって思うくらいの水着の数々。それこそもうとんでもなくきわどいヤツもあって…。
時流「これにするわ」
スイ「決めるの早っ!てかなにそれ!Cストリングなんてはじめて見たんだけど!?」
時流「サービスよ」
スイ「ねぇ何のサービス!?ねぇ!?」
笑夢「ツッコミは無粋ですw」
スイ「そんな笑夢さんは白スク水なんてコアなものどこから見つけ出したの!?ってか相坂姉妹選ぶの早すぎだよ!もっと自分を大事にしようよ!?」
アキ「いちいち五月蝿い方ですね」
スイ「そっちはなんでビーチバレー用の水着!?コアな層狙ってるの!?」
時流「スイ姉さんも早く決めちゃってよ」
スイ「だからもっと自分を大事にしようよ!」

というより後から聞いたら、大体こんな感じと決めてきていたらしい。
出遅れたあたしは黙ってパレオ付きのビキニを手にした。
柄が某月の国のお姫様と同じヤツ。コスプレっぽいね。

スイ「で、水着なんか買ってどうするの?」
時流「決まってるでしょ。プールよ」
スイ「海じゃなくて!?」
笑夢「もうすぐお盆ですから、海は無理ですよw」
スイ「どんだけこの世界に適応しちゃってるの!?」
あぁもうこの姉妹、どれだけこの世界にあっさり適応しちゃってるのさ。
あたしだって適応するまでに5年の歳月を要したというのに。
そんなあたしを抱き寄せ、時流ちゃんは、ってか大胆だよ時流ちゃん!みんな見てるんだよ!?そりゃ、あたしは時流ちゃん嫌いじゃないけどさ…。
時流「スイ姉さん。多分アキちゃんは一般人よ」
スイ「あ」
な、なるほどー。
べ、別にガッカリなんてしてないんだからね!?ホントだからね!?
時流「だから、迂闊な発言で尻尾を掴まれたくないの。人外と友達になりたがる人間なんている?同年代では初めての友達なんだから」

時流ちゃんのこと、知らないわけじゃない。
ずっとひとりぼっちだった。だから、アキちゃんという友達がどんなに大切か、分からないあたしじゃない。仕方ない、ペース合わせてあげよう。
時流「さ、次は浴衣よ。マイクロミニ浴衣にTバックとかどうかしら」
笑夢「許しません!w」
スイ「だぁもうやっぱり前言撤回!」
なんでも話では今度みんなでプールに行く計画があるらしい。誰が来るかなんて大体分かっているけど、たまにはペース合わせて遊んであげようかな。そんなことを想いながら、会計に向かうあたしだった、マル
10/08/07 01:00更新 / 相坂 時流

■作者メッセージ
ニャハト、燃料は投下したわよ。後はあんたが味付けしなさい。

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逃げ道を…塞がれた…!?
 ナハト 10/08/07 14:50 評価:とても良かった!
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まろやか投稿小説 Ver1.30