読切小説
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あなたを想う
あなたは知ってますか?
友情が愛情に変わるというこをと
あなたに出会うまで私は信じていませんでした

―――
「そんなんじゃ、まだまだ二代目リーダーは任せられないぞ、理樹」
「む…その言葉後悔するよ恭介!」
「させてくれよ理樹!」
―――

でも…
あなたは私のことよりもあの人のことが好きなんですよね
臆病な私にはあなたに好きと伝える勇気がありませんでした

―――
「なぁ、理樹」
「どしたの?」
「なんかな、俺、どうやらマジであいつに惚れちまったらしい」
「…そう、なんだ」
―――

あの人の隣で嬉しそうに笑うあなたの顔は、私の見たことないもので…
きちんと伝えればよかったのでしょうか?
この胸の奥から溢れ出そうな気持ちを

―――
「恭介…恭介ぇっ」
―――

あなたに好きと伝えられたのなら
私達の関係は変わっていたのでしょうか?
でも、IFをどれだけ空想しても
私のそばにあなたはもういません

―――
「恭介…僕は…」
―――


あなたを好きになるまで
「初恋は実らない」なんてジンクスを私は信じていませんでした

―――
「明日デートなんだ!」
「そっか…気をつけて行ってきてね」
―――

言わなくてもわかっています
あなたにとって私は友達なんです
この関係が心地よくて…いえ、勇気がない私はついにそれ以上あなたに歩み寄ることが出来ませんでした

―――
「やっぱ理樹は最高の親友だぜ!」
「っ!恭介!僕…」
「ん?どした?」
「僕…僕も、恭介は最高の親友だと思ってる」
「マジか!そいつは嬉しいな!ありがとな!」
「こっちこそ…」
―――

どんな物が好きかな?と照れ臭そうな顔であの人へのプレゼントを考えるあなた
私は…
私は…

―――
「何をプレゼントすれば喜ぶんだろうな…」
「…」
「なぁ、理樹はどう思うんだ?」
「…」
「理樹?」
「あ…ごめんね。きっと恭介が選んでくれたものならなんでも喜んでくれるよ」
「そっか…なんか余計に難しくなった気が」
「考え過ぎだよ」
―――

誰よりも…あの人よりも早く、あなたに好きと言えたのなら
私達の未来は変わっていたのでしょうか?
もう、あなたには伝えられない、伝えられなかった言葉を
私はそっと胸の奥に眠らせます

―――
「なんで…僕は伝えなかったんだろう…伝えていたら僕と恭介は…でも、今更言えるわけないよ…」
―――

私の隣で嬉しそうに笑うあなたの薬指には、光る指輪がありました
小さな声で、聞こえないような小さな声で私はおめでとうと言いました
…ごめんなさい
あなたの恋が成就して、友達である私も嬉しいはずなのに
何故でしょうか?
あなたの姿が滲んで見えるんです

―――
「結婚するんだ、俺達」
「…そっか」
「これも理樹が相談にのってくれたからだな。改めてありがとな理樹!」
「そんな…僕は何もしてないよ」
「そんなことないさ。理樹が結婚するときには全力で応援するからな。なんでも言ってくれよ」
「うん…」
「っと…悪い、あいつが呼んでる」
「うん。よろしく伝えておいて」
「あぁ。悪いな、わざわざ呼び出したのに」
「構わないよ。ほら、早く行かないと。嫌だよ、奥さんに嫉妬されるだなんてさ」
「はははっ!あいつも俺達の仲は知ってるから大丈夫だよ。それじゃ理樹、またな」
「うん…恭介!」
「ん?」
「あの…ぉ…愛想尽かされないようにね」
「おいおい手厳しいな…肝に命じるぜ!じゃあな」
・・・・・・
「…恭介…ごめん…おめでとう…恭介…うぅっ…」
―――

あなたに対して素直になれていたのなら…好きと伝えられたのなら
もしかしたら、私達の関係は今と変わっていたのでしょうか?
でも、そんなIFをどれだけ空想しても
私はもう、あなたの隣にはいられません
私にはもう、あなたの背中しか見えません

さようなら、初恋の人
どうか幸せになってください、初恋の人

―――
「理樹!来てくれてありがとな!!」
「当たり前じゃない。親友の門出だもん。おめでとう、恭介」
「あぁ…っ…理樹!ありがとなっ」
「なに…泣いてるのさ」
「すまんっ…理樹に祝ってもらったら…なんか感極まってよ…」
「恭介…っ…そんなことでどうするのさ」
「あぁ…そうだよな…」
「泣かないでよ…なんだか僕まで…っ」
「泣き虫だな…理樹…」
「恭介こそっ」
「ははっ…はは…理樹!今までありがとな!」
「僕の台詞だよ。ありがとう恭介。僕達の為にありがとう。これからはあの人の為に頑張ってね」
「…あぁっ!!」
「うん。もう一回、おめでとう、恭介」
「ありがとう」
「ほら、みんなの所にも行ってきなよ。みんな恭介と話がしたいんだから」
「そうだな。じゃあ行ってくるよ」
「うん」
・・・・・・
「さよなら…恭介…ずっとずっと好きだったよ」
―――

――――――――――

美魚「どうですか?」
理樹「いやいやいや!なにこれ?」
美魚「次回の新刊です。テーマは報われない片思いです」
理樹「勘弁してよ…」
美魚「直枝さん」
理樹「なに?」
美魚「需要と供給です」
理樹「は?」
美魚「私の趣味もありますが、こういった話を望む声があったのは事実なんです。なんでしたらリクエスト葉書をお見せしましょうか?」
理樹「いや、いいよ…」
美魚「そうですか」
理樹「はぁ…」
美魚「直枝さん」
理樹「なに?」
美魚「怒ってますか?」
理樹「全く怒ってないわけじゃないけど…もう諦めたよ。止められる段階じゃなさそうだし」
美魚「はい。安心してください。私はプラトニックな物しか書きません」
理樹「何が安心なのか微妙だけど…うん」
美魚「では、私は同士と用がありますので」
理樹「うん。なんか色々複雑なんだけど、頑張ってね。あんまり無理はしない範囲で」
美魚「はい、ありがとうございます。では…直枝さん」
理樹「なに?」
美魚「…いえ、なんでもありません。失礼します」
理樹「…西園さん?まぁ、いいか」
・・・・・・
美魚「いけませんね、遠回し過ぎましたか。次はもっと直接的に…」
09/09/17 02:12更新 / ナハト

■作者メッセージ
白石みのる
えみりんのテーマ
を参考にしてます


自分ではジャンルがわかりません
なんで理樹と恭介をモデルにしたのかもわかりません


オチが弱かったり、意味がわかりにくかったりしたらごめんなさい

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■感想メッセージ
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−評価−





需要にばっちりです(^-')b
理樹と恭介の会話と理樹の心中の配置がバランスよく、詩的な情景が浮かんできてテンポよく読めました。

私のBL的ツボとしてはもっと理樹の苦悩が行動となってあらわれれば本気の思いということが伝わってくると思います。まあ詩的な流れには合わないしあくまで私のツボなので流してもらっても結構ですが(笑)
 ゆきひめ 09/09/17 09:17 評価:とても良かった!
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まろやか投稿小説 Ver1.30