･鼓膜の向こう側

ゆり:〜♪
カズ:…
ゆり:カズくん、耳掃除気持ちいぃ？
カズ:…ぅん

耳掃除中のラブラブなお二人さんです。

ゆり:カズくん、ゆりのひざ枕はどぅ？
カズ:やわらかくて…とってもいいょ…

うつらうつらと船を漕ぎ出しそうなカズ君。

ゆり:？カズくん、おねむかな？
カズ:ぁ…ごめん…気持ち良くて…Zzz

瞼が…重いのです…Zzz

ゆり:仕方ないなぁ〜終わったら起こすからね♪
カズ:ん〜…Zzz
ゆり:〜♪

ゆりちゃんはとても楽しそうです。

ゆり:…あ、カズくん動いたらダメだよぅ
カズ:ん…ん〜…Zzz

もぞもぞとカズ君は動いてしまいます。

ゆり:もぅ…えへへ//カズくん可愛ぃ〜…ん？

その時！
｢ぶーん｣という羽音とともにナニかがゆりちゃんに接近！
ナニか…虫はゆりちゃんの顔に…ぴたっととまりました。

ゆり:…
カズ:Zzz
ゆり:……
カズ:Zzzzzz
ゆり:やぁぁぁぁっ！？

パニックを起こしたゆりちゃん！
しかし、悲劇はそこから始まったのです！

グサッ

ゆり:…ぁ

ＢＡＤ ＥＮＤ

―

･フレンチキスは『濃い』やつです

カズ:ちょｗそれなんてクソゲーｗｗｗ

とんでもない悪夢から脱出したカズ君は思わずツッコミを入れました。
…が、

たいら:…俺の授業中に居眠りとは良い度胸じゃないか、えぇ？上高地
カズ:神谷です、すいません先生

授業中でした。

たいら:次に｢ちょｗ｣とか言ってみろ、とんでもないことしてやるからな

先生が言うこと…？

カズ:Д
たいら:お♪俺はその顔をしたお前が一番好きなんだ♪愛してると言ってもいい

ど偉いことを言い出しましたよ、この人。
ちなみに、見ている何人か(男女問わず)の顔が赤いのは何故なのか？

カズ:はぁ！？
たいら:いいか！俺は今からお前にキスをする！

｢きゃー//｣なんて歓声が上がってます。

カズ:良くない！
たいら:照れるなよ
カズ:照れてない！

カズ君は必死になってたいら先生から逃げます。
…が

たいら:ふっふっふ
カズ:うわっ！？捕まっちゃった！？

がばちょ、と捕まってしまいました。

たいら:それでは…いっただっきま〜す！！

たいら先生の顔が…唇がカズ君に迫り…

カズ:いやぁぁぁぁ！？

ＢＡＤ ＥＮＤ

―

･夢から覚めても…？

カズ:舌は入れないでーっ！？…はぁっ…はぁ…はぁ…ゆ、夢？

とんでもない夢でしたね、災難なカズ君です。

ゆり:んぅ…カズくん…どぅしたの？
カズ:あ、ごめん、ゆり…起こしちゃった？
ゆり:ん…めむぃ…
カズ:寝てていいよってなんでゆりが俺と一緒に寝てるんだ！？

寝起きだからか、気づくのが遅いです。

ゆり:カズくん…ぅるさくしたら…めっ…
カズ:可愛いなぁちくしょーっ！！

可愛いは正義。

時流:それよりさ、なんで裸なわけ？あんた達
カズ:へ？うわっ！？な、ななななんで！？

言われて気がつくのもなんですが、カズ君もゆりちゃんも下着姿でした。

時流:こっちの台詞よ

全くです。

カズ:って、と、時流姉さんいつから！？

寝起きマジック:反応が鈍くなる。

時流:あんたが｢舌入れちゃらめぇぇぇ♪｣とか言ってたとこ
カズ:言ってないです！

子供には見せられないアレンジが加わってる気がします。

榛希:｢舌は入れないでーっ！？｣…だったな、正しくは
カズ:兄さんまで！？
榛希:何があったか知らないが騒がしいぞ

騒ぎを聞き付けて、榛希おにぃ参上です。

時流:それがほら、見てみなさいよ
榛希:…同衾までなら見逃してもよかったが、カズお前

おにぃの頭の中で『大人の階段の〜ぼる〜♪』って歌が流れているのは秘密です。

カズ:誤解だから！
時流:あ、カズ坊
カズ:なんですかっ？

余裕ナッシングなカズ君でありますから、やはり言われるまで気がつきませんでした。

時流:あんまり暴れると布団がめくれるわよ
カズ:それが…ぁっ！？

言わずもがな、布団がめくれたらゆりちゃん(＠下着姿)と御対面です。

時流:見せたいなら見てあげなくもないけど
榛希:寝てる間に色々見られたとゆりが知ったらどうなるか…

にやりと微笑む時流お姉さんと、難しい顔をするおにぃと、

カズ:うわわわわ！？あいたっ！！

ベッドから落ちたカズ君と

笑夢:ねむ…いったいどうしたんですか？こんな朝から…

騒ぎで目が覚めてしまった笑夢お姉ちゃんです。

時流:姉さん、なんの問題もないわよ。カズ坊が悪夢を見て悲鳴をあげながらベッドから落ちただけだから

時流お姉さんがカズ君をフォローします。
またえらい騒ぎ(相坂時流さん作の番外編参照)になっても自分が困ると思ったからです。

笑夢:そぉですかぁ…私は眠ぃので…二度寝を
ゆり:んふ〜♪…カズくんがぁ♪…いっぱぃ〜♪…Zzz

背中を向けた笑夢お姉ちゃんに聞こえたのは…ゆりちゃんの寝言でした。

時流:あちゃ〜…

時流お姉さんは頭を抱え、ひっそりと榛希おにぃをつれて離れて行きます。

笑夢:カズ君…

浮かべている笑顔からは信じられない、底冷えしたその声は全てを凍てつかせます。

カズ:は、はい…
笑夢:正座！
カズ:はいっ！？あ、あの…服を着てはいけないでしょうか？

恐る恐る挙手をして、発言するカズ君ですが…

笑夢:私は発言を許可した覚えはありません

取り付く島もないです。

カズ:すみません…
笑夢:いいですか？そもそも…

『以下一時間に及ぶスーパー説教タイム』

カズ:すみませんごめんなさいすみませんごめんなさいすみませんごめんなさいすみませんごめんなさい…

榛希:カズ…
時流:哀れね…流石に…

故障中のカズ君を見て、二人が沈痛な表情をします。

ゆり:うにゃぁ…あれ？
笑夢:ゆりちゃん！大丈夫でしたか！？昨日何があったんですか！

お姉ちゃん必死です。

ゆり:笑夢お姉ちゃん？…あれ？ここ…カズくんのお部屋？…あれ？なんでゆり下着…//

寝ぼけも手伝って、ほにゃ〜んと恥じらうゆりちゃん。

時流:ゆり、これ
ゆり:うん…あれ？時流お姉ちゃん？なんでゆりのパジャマ…？

時流お姉さんがゆりちゃんにパジャマを手渡します。

時流:ゆり…あんたの部屋に木天蓼(またたび)があったのだけど
笑夢:またたび？
ゆり:んしょ…んしょ…またたびぃ？あ、今度ぬこにあげようと思って…
時流:かいだでしょ？
ゆり:うん。そしたらなんだか気持ち良くなって…どうしたんだっけ？
時流:…だそうよ、笑夢姉さん？
笑夢:…ゆりちゃん！ゆりちゃんはまたたびに酔うんですから気をつけてください！

初めて明かされる衝(笑)撃の事実！

ゆり:えー？ゆり酔ってなんかないよー
時流:ほら記憶ないし
笑夢:きっと、にゃんにゃんおーって言いながらカズ君の元に…何故私の所へ来てくれなかったのですか！？

なんかおかしなことを言い出したお姉ちゃん。

カズ:すみませんごめんなさいすみませんごめんなさいすみませんごめんなさいすみませんごめんなさい…

故障中。

榛希:はぁ…朝飯作るか
時流:付き合うわ

そんなこんなで、あいさかけは今日も元気です。

■作者メッセージ

番外短編です。

チャットで適当に話した『鼓膜の向こう側』を筆頭に、ちょっと気分転換に書きました。

本編はもう少々お待ちください。