第2話

-9月8日-(月)-

さて、私は今、洗面台の前で通り魔と同じか
いゃ、それ以上かもしれない問題に頭を抱えている

そうなってしまった経緯は
まだ私がベットに入っていた時間までさかのぼる

………
……

早朝、私は目覚まし時計のアラームより先に枕もとに充電器に刺さったまま置いてあった携帯からの一通のメールで起こされた
もちろんこんな朝早くからメールをしてくる人間なんて一人しか考えられなぃ

「…灯 」
くしゃくしゃの髪と寝ぼけた意識で携帯をモゾモゾ探し、開く
その内容には

-本文-
「ぁ ゆり〜 オハヨー
あのさー
あのねー
あたしねー ずっとゆりに言 えなかったんだけど
実はずっと前から、ゆりが一回だけ球技大会でしてたポニテが大好きでしたっ// キャハo(≧∀≦)o

というわけで
できれば ゆりの可愛いポニテ見たいなぁ〜
ポニテならもっと、ぎゅぅ〜してあげちゃうからね?

以上!
ゆりの彼女候補 、灯ちゃんからでしたー
お目覚めの
       (^з^)Chu!   」

…………
………

(なにこれ )

(なにが (^з^)Chu! だよ…全く )
というかなんでこんな朝早くからこんなテンションでいれるの

………
……


と、こんな感じで今日の朝は灯に起こされてしまったわけで
故に洗面台とにらめっこをしているわけなのです

(誰が あんなやつのために )
とひとりで洗面台の鏡の前でプイッとはしてみるけど
そう思った5秒後には
(でも… やっぱり喜んでくれるのかなぁ )
とクシを持って気持ちが揺らぎそうになってしまう自分がいる

「ぅぅ…〜 」
(私はどうすれば )

………
……

-その30分後-

家のドアを開けて、また今週もがんばろうとふわりと制服のスカートをなびかせる
そして、悩み抜いたその髪の結果は

「はぁ 」
(ポニテ… )

気まぐれに長い髪を後ろに流し、前髪はナチュラルに残したままチョコレート色のストレートの髪を後ろに結わいて
極め尽けは水玉模様の可愛い水色のシュシュで灯のために髪を結んで家を出てしまった自分がそこにはいた

(ぅぅ… 私 意志弱すぎる )

久しぶりに髪を結んだりなんかしたからちょっとだけ時間がかかってしまった
(おかしく…なぃかなぁ )
今の私はどんななのか少しだけ挙動不審に辺りをキョロキョロしてしまう

それにしても

「うわぁ… 暑ぃ 」
9月上旬の残暑が厳しい今日は、朝のお天気ニュースでもなんと最高気温30度越えとか言っていたり
こんな朝なのにもうムシムシしていてじっとしていると汗が滴るほどの天気だった

上を向けば、遥かなる蒼が空のキャンバス一面に広がっていて、それと同時に降りしきる直射日光に肌がジリジリする
ポニテに結わいた後ろ髪に首元からサーッとそよ風が通り過ぎてゆく
まだまだ季節は夏だということを実感させられる一日

今日は気分的にちょっとだけiPodは夏っぽい曲を流したりしてみる
またのんびりと、けれど何だか夏っぽさのある通学路をワクワクした気持ちで歩いていく

夏曲の3曲目がちょうど終わるころ、学校の前の青々としたひまわり畑が見えてくる

学校の正門を入ると、校庭の木か中庭の木か、はたまたまた別の場所か
どこからかセミの鳴き声が朝から夏のメロディーを奏でている
夏服の制服にひまわりとセミ
そしてこんなにも広々しい青空キャンバス

汗っぽい首元とワクワクした気持ちが、私に季節を感じさせる
そんなことを思いながら階段を上り、1年
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