カズ:ん…
朝。眠い目を擦りながら覚醒する。
カズ:…
辺りを見回す。
なんで俺ソファで…あ
カズ:…あれ?
ゆり―押しかけてきた天使だ―がいない…ん?
テーブルに寝るときにはなかったメモが…
カズ:おいおい、あんま独り身の俺に見せ付けるなよ。By兄…はぁ?
なんだこりゃ?
ゆり:ぁ…カズ君おはよぅ〜
可愛らしい声がする方を向けばそこには…
カズ:…
うちの女子の制服+エプロンなゆり…っ!!
制服エプロンKtkr!!
ナイスゆり!!
ナイス制服エプロン!!
俺は今猛烈に…
ゆり:カズ君?
カズ:はっ!?
いかんいかん…落ち着くんだ俺…COOLだKOOLになるんだカズ…
ゆり:ご飯作ったから食べよぅ?食べられる?
カズ:あ、う、うんっ!食べる食べるよ
俺は跳ね起きると、顔を洗いキッチンへ。
そこには…
ゆり:えへへ…ちょっと張り切り過ぎちゃった//
はにかむゆり。
テーブルの上には…オムライスにハンバーグが乗っかり…何処にあったのかカレー用ソースポット(魔法のランプみたいな奴だ)にはカレー…さらには…肉じゃが…
カズ:…
ゆり:カズ君は男の子だからこれくらぃぺろりだよね?
食えと?起きぬけにこのヘビーなのを食えと?
しかし…
カズ:う、美味そー。いやぁ腹減ってたんだ俺
悲しいかな、男はえてして女性に弱いのである。
ゆり:召し上がれ〜
カズ:い、いただきまーっす!
ヤケだった。
俺はオムライスを口に運び…
カズ:美味い…凄い美味いよ!
ゆり:よかったぁ♪いっぱい食べてね
起きぬけだから少しきついのが本音。
だけど、飛び切り美味いのもまた本音。
…男子高校生なめるな!!
カズ:ぅ…
張り切り過ぎました。
苦しいです…
ゆり:カズ君、お弁当も用意しておいたからね♪
カズ:あ、ありがと
って弁当?
カズ:いつから起きてたのさ?
ゆり:ん〜、おにぃが起きる少し前かな
カズ:おにぃ?
え?誰?
ゆり:榛希さんが「俺のことはおにぃと呼んでくれ」って
カズ:…兄さん
ちょっと…兄さんを遠く感じました。
カズ:随分早起きを…
ゆり:カズ君に…美味しいご飯を食べてもらいたかったから…//
カズ:ゆり…
う、うわ…恥ずかしくなってきた…あんな可愛い笑顔で言われたら…
ゆり:カズ君?顔赤いけど大丈夫?
カズ:だ、だだだ大丈夫だようん平気平気
どもりすぎだろ俺!?格好悪…
カズ:そ、そういえば、その服はどうしたの?
強引な話題転換。
しかしゆりは変な顔をすることもなく
ゆり:これ?カズ君を護る為にゆりもカズ君と同じ学校へ行くから
カズ:…マジで?
ゆり:うん
カズ:そ、そうなんだ
天使が学校…これなんてギャルゲ?
ゆり:ゆりはカズ君の幼馴染みって設定だから
カズ:は?設定?
ゆり:さすがに天使とは言えないもん
カズ:ですよねー
幼馴染み…こんな可愛い幼馴染みが…だからこれなんてギャルゲ?
カズ:あ、でも妹とか親戚とかじゃいけなかったのかな?
幼馴染みだなんて疑われないだろうか?
ゆり:やだ
カズ:やだって
ゆり:だって妹じゃ…その…〜っ//
カズ:え?なに?
よく聞き取れないんだけど?
ゆり:カズ君っ
カズ:は、はいっ!!
ゆり:改めて…よろしくお願ぃします//
カズ:…あぁ、こちらこそよろしく
俺達は互いに頭を下げ合った。
―――
ゆり:〜♪
少し早かったが、転校先にどんな準備があるのかわからない俺は早めに家を出た。
ゆりは学生鞄を持ちハミングしながら軽快に俺の横を歩い
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