恭介:理樹、お前の全てを俺にくれ
理樹:恭介…本当に僕でいいの…?
恭介:理樹がいいんだ。理樹でなくちゃ駄目なんだよ
理樹:恭介…僕も…恭介が…欲しい…
恭介:理樹
理樹:恭介…
そうして…僕達は恋人になったんだ。
恭介:理樹はいつ見ても可愛いな
理樹:男に可愛いだなんて…僕が喜ぶとでも思ってるの?
恭介:嫌なのか?
理樹:…恭介に言われるのは、嫌じゃないかな
恭介:まったく…本当可愛い奴だぜ
恭介に強く抱きしめられた。
理樹:うわっ…もう、恭介は…
恭介:理樹、いいか?
理樹:…うん
―
それは本当に幸せな毎日だったんだ。
なのに…
理樹:恭介…遅いな…
恭介の帰りが遅くなった。
恭介:ただいま…まだ起きてたのか?
理樹:おかえり。ご飯食べる?
恭介:いや、外で食べてきたから…悪いな、せっかく理樹が作ってくれたのに
理樹:いいんだよ、気にしないで
恭介:なぁ、理樹
理樹:ん?
恭介:…いや、なんでもない。疲れてるから今日はもう寝るよ
理樹:うん…一緒に寝ていい?
恭介:あぁ
理樹:ありがと。恭介、洗濯機に入れちゃうから服脱いじゃって
恭介:あぁ…っと、よろしくな
理樹:うん
理樹:〜♪…あれ?…この匂い…恭介の香水じゃ…ない?
恭介のYシャツをぎゅっとしていて気がついた。
恭介の服から香る恭介じゃない匂い。
渦巻く不安。
…恭介は浮気なんかしない。
そう思っていても…どうしてもその不安は拭えなかった。
理樹:恭介…あの…
恭介:…zzz
理樹:寝てる…気のせいだよね?信じて…いいんだよね?
その言葉が起きている恭介に言えていたなら…未来は変わっていたのかもしれない。
―
ある日…恭介が倒れた。
原因は過労。
僕は病院へ向かった。
恭介:すまん
理樹:無茶しないでよ…恭介がいなくなったら…僕は…
恭介:お前を置いていなくなったりしないさ
理樹:でも…最近おかしいよ恭介
恭介:なにがだ?
理樹:恭介が過労で倒れるなんて…今、どんな仕事を任されてるの?
恭介:俺だってスーパーマンじゃないんだ。倒れることもある
理樹:帰りが遅いし…
恭介:それは…本当に悪いと思ってる
理樹:恭介は…仕事と僕とどっちが大事なの?
恭介:理樹、それは…
僕の言ってはならない言葉が恭介につらそうな顔をさせてしまった。
理樹:ごめん…わかってるんだよ。でも聞かずにはいられなかったんだ…不安なんだよ…現にこうして倒れちゃったし
恭介:…理樹、こっちにきてくれ
理樹:うん。あ…
抱きしめられた。
恭介の匂い、温もりを感じる。
恭介:不安な思いをさせて悪い。だけどな、俺はもう理樹なしじゃ生きていけないんだよ
理樹:恭介…
恭介:もう少しだけ…待ってくれ
理樹:…うん
入院した恭介だったけど、早々と退院できた。
仕事に復帰した恭介は早く帰ることを心掛けてくれた。
その分たくさん愛し合った。
だけど…
―
理樹:また…違う香水
女性向けの香水の匂いを纏い帰宅することが増えた恭介。
どういうことだろう…
直接問うことが出来なくて、僕は恭介の行動を見張ることにした。
何日かして、匂いの原因が判明した。
理樹:小毬さん…
恭介は小毬さんと会っているようだった。
理樹:恭介…
『浮気』
そんな言葉が僕の頭をかすめる。
…そんなはずない。
だけど…だけど…
信じたいのに…
僕は…恭介がわからなくなっていた。
―
ある日。
もはや日課になった恭介の尾行中。
僕は見てしまった。
恭介が…小毬さんと抱き合ってるのを…
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