5話(前)


ゆり:あんなことEな、出来たらEな〜

妙なイントネーションですが、ゆりちゃんが唄っているのは皆さんご存知の、某国で偽物が出没するほど人気の高い、青いタヌキロボの歌です。

ゆり:んふ〜♪これでばっちりぃ♪

ゆりちゃんはなにか作業を終えたようです。

ゆり:これで明日は〜…えへへぇ//

可愛らしい笑みを浮かべたゆりちゃんはベッドへ向かいました。
これが、今回の騒動の発端でした。

――
翌朝
――

榛希おにぃの自室。
暦では赤くなっていても、おにぃはそれが休みに直結しないものですから出勤の支度をしていました。
そこで事件は起こりました!

榛希:なんだこれは!?

基本、大声を出さないおにぃですが、今回は驚きました。
何故か?

榛希:ネクタイが…ネクタイが…!?
時流:ちょっと…朝から何を騒いでるのよ…

おにぃの部屋で寝ていた(!)時流お姉さんが起きてしまいました。(←笑夢お姉ちゃんとお酒を飲むのが怖かったからこっちで飲んでた

榛希:時流!たたた、大変なんだ!
時流:ど、どうしたのよ、いったい?っていうか顔が近いのよ!

パニックを起こしている榛希おにぃは時流お姉さんに駆け寄り、肩をがしっと掴み訴えます。
迫るのは得意でも迫られるのはちょっぴり苦手な時流お姉さんは少し顔を赤くしながらおにぃを引き離そうとします。
なんだか朝っぱらからご馳走様ですね。

榛希:ドラえも○なんだよっ!
時流:は?ドラえ○ん?
榛希:そうだよドラ○もんなんだよ!
時流:意味がわからないわよ。なにがド○えもんなのよ?
榛希:だからネクタイが○ラえもんなんだよ!
時流:…あんた、そんなの持ってたの?

時流お姉さんはおにぃの下着の柄すらも知っていますが、そんなネクタイの存在は知りませんでした。

榛希:持ってない!と、とにかく見てくれ!

榛希おにぃはネクタイを時流お姉さんに渡しました。

時流:…本当ね

そのネクタイは正しく…Doラえもん柄でした。

榛希:こんなのして会社なんか行けるか!
時流:もはやネタだものね、これじゃ。でも、ネクタイがタヌキロボの柄のしか無いので休みます、だなんて…
榛希:言えるわけがないだろ!?
時流:まぁ、そうよね

なめねこに『にゃめんなよ』と言われそうな勢いです。

時流:なら…アレを付けてく?
榛希:アレ?
時流:蝶ネクタイ
榛希:すまんが、タキシードは持ってないんだ
時流:そう…それならほら、麻縄とかどう?
榛希:麻縄で何をどうしろと?
時流:縛るのよ、亀の甲羅み…
榛希:ネクタイは結ぶもので縛るものじゃない
時流:よく言うわよ。『へへへ、一度こうしたかったんだよ』ってネクタイとベルトであたしをぎちぎちに縛っ…
榛希:さて、打開策を真面目に考えようじゃないか

おにぃは露骨に顔と話を逸らしました…もしかして実話?

時流:あたしの取って置きのこの紐下着をそれっぽく巻く?
榛希:それはない…ってなんだと?
時流:ねぇ、榛希。あたしの紐の下着を締めて行くのと、ドラえも○でダディークール、どっちが通報されないと思う?
榛希:それはドラえ○んだが…一応今日は大事な会議なんだがな…仕方がないか

おにぃがネクタイを結ぼうと

時流:待って

しかし、時流お姉さんはそれを制すと、おにぃの手からネクタイを取り上げました。

時流:つけてあげるわ
榛希:あぁ

…なんだか新婚さんみたいです//

時流:でも…こんなことをするのって…スイ姉さん?いえ、姉さんならもっと徹底するはず…そもそもこんなことをして誰得なのよ…
榛希:俺への嫌がらせ
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まろやか投稿小説 Ver1.30