顔合わせ


??:あなたが神谷榛希かしら?
榛希:そうだが…君は?
??:時流。相坂時流
榛希:…

―――――――――――

笑夢:…
カズ:…
ゆり:?

放課後、真っ直ぐに帰宅した。
もちろん原因は昼のゆりの一言。
今のこの緊迫した空気の原因も同じで。

笑夢:再度確認しますが、同じ部屋の…違うソファで寝ていた…カズ君?
カズ:そ、その通りであります!

恐い…なまじ笑顔だからか、笑夢先生から凄い迫力を感じる。

笑夢:ゆりちゃん、相違ありませんか?
ゆり:うん。…あ
笑夢:なんですか?カズ君に襲われてしまったのですか?お嫁にいけなくなるような辱めを受けたのですか?大丈夫ですお嫁になんかいけなくても私がゆりちゃんの面倒を見てあげますからお嫁になんか行かないで私のそばにいてください

一息だった。
それにしても俺のキャラが酷い…。

ゆり:えとね、いつも笑夢お姉ちゃんか時流お姉ちゃんと寝てたから一人だと寂しくて…
笑夢:寂しくて…?
ゆり:気がついたらカズ君をギュッて
笑夢:カズ君にギュッてされたのではなく…?
ゆり:ゆりからしたの
笑夢:…!?

何て言えばいいか難しいのだけど、笑夢先生は泣きそうな…けど今にも怒りそうな…もしかしたらこのプレッシャーは殺気なのかもしれない。
ともかく、生きた心地がしないというのは今の俺の心境に近いのかもしれない。

笑夢:か、感心しませんねぇ…未成年が…ふ、二人きりで同じ部屋で眠るだなんて…

??:姉さんが気に入らないのはこの二人だから、でしょう?

え!?この声は…

笑夢:時流さん!?
ゆり:時流お姉ちゃん!

時流姉さんだった。

榛希:まるでうちじゃないみたいだな…
カズ:兄さん…
榛希:初めまして、相坂笑夢先生。カズの兄の榛希です
笑夢:あ、はい!時流さんとゆりちゃんの姉で女神をしてます笑夢と申します

え…?

カズ:女神…?
笑夢:あ、嘘です違いますよ天使ですよ天使
榛希:どっちも変わらんだろ…
時流:姉さんのことだからゆりのことになると暴走すると思って榛希を呼びに行ったんだけど正解だったわね
榛希:いきなり職場に時流が来るんだからな…大変だったよ
時流:美人でごめんなさいね
榛希:全くだ。美人は罪とはよく言ったものだ
笑夢:…あの、なんだかやけに仲良しに見えるのですが?

その言葉にはゆりも同意見だったみたいで、うんうん頷いている。
もちろん俺も。

時流:そうね。想像以上に波長が合ったのよ。ねぇ、榛希
榛希:あぁ
笑夢:くっ…僅か一日にして大事な妹達を(Ne)盗られた気分ですよ…っ!!

ギリッ…ギリッ…と聞こえるのは笑夢先生の歯ぎしり…?

榛希:それで、だ。結局君らはなんなんだ?天使に女神に…うちの弟のお迎えにしては豪勢過ぎる

言い切った!?

笑夢:こほん。あのですね、まずゆりちゃんはカズ君を守る為にここへ来たわけですよ。善悪問わず魂を呼び寄せてしまうカズ君を守る為に。時流さんはそのサポート。私は…
時流:姉さんはゆりが大好きだから離れたくなくてやって来たのよ。ね?
ゆり:///
笑夢:時流さん!?いくら私でもそこまで私情で動いたりは…動いたりは…



榛希:動くのか、私情で。しかも女神様が
笑夢:し、仕方ないじゃないですか!ゆりちゃんがあんまりにも可愛いんですから!!

そんな理由なんだ…

ゆり:お姉ちゃん…恥ずかしぃよ///
笑夢:昔にも『君みたいな人と一緒にいたい』って言われて人間界で暮らしだした女神だっているんですから!まぁ私は天使ですが

別に言い直さなくてもいいのに。


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まろやか投稿小説 Ver1.30