〜ビバノンノン→歯をみがこう〜


榛希:さて、忘れた下着やらなんやらはデパートで買えたな
時流:急いで姉さんから逃げたのが災いしたわね

慌ただしい出発だったのは、やはり笑夢から逃げる為だったようだ。

榛希:カズとゆりが家にいるんだ。任せて問題ない

このおにぃ、非道につき取り扱い注意。

榛希:お、あれか?
時流:日向湯…読みはひなた湯かしら?
榛希:まさか…あいつの実家…なのか…?

ひなた…この言葉に過敏に反応する榛希。

時流:あいつ?
榛希:いや…ん?

言葉を濁そうとした榛希…だったが、

時流:どしたの?あら

何かに気づいたらしい榛希の目線、それに合わせて時流が視線を向けた。
そこには

ヒメ:とっきるさん!
ショータ:こんばんは

名物カップルが仲睦まじそうに歩いていた。

榛希:あぁ。銭湯か?
ヒメ:いえ〜っす!たまにはいいかなって
ショータ:お二人も?
時流:えぇ。給湯器が壊れたらしいのよね。それで、ニャハトにゃん、スイ姉さんは?
ナハト:…俺一人だが?

珍しく一人で歩いていたナハト。

ヒメ:ぐっどなはとー!…ぐっどなはとー!?

ヒメは気がついていなかったらしいナハト。
喋らずにいると、存在感がとことん薄くなるらしい。

ショータ:…ナハトさんも、銭湯ですか?
ナハト:…あぁ

狙ったかのように、この男も銭湯であった。

時流:なんでスイ姉さんがいないのよ
ナハト:…いつも一緒にいる訳じゃないぞ。スイなら今

『やばい 止まれない〜 止まらない〜♪』

時流:あら、メール?…スイ姉さんから…

スイ:『スイカエル ジッカニカエル イマジッカ』
何故か、電報みたいなメールだった。

時流:…
ナハト:…少しの間実家に帰るらしい…ぞ?

いまひとつ自信がもてないらしい。

時流:みたいね…
榛希:なにかしたのか?

榛希は疑わしい眼をナハトに向ける。

ナハト:誰がするか

それに呆れるナハト。

ヒメ:待って!メールの内容から察するに…本当はスイさんは探してほしいんだよ!きっと今頃一人で寂しくて泣いてるよ!

トト○にそんな台詞があった気がするなぁ、と思いながら

時流・ナハト・榛希:そ れ は な い

スイを知る三人は口を合わせてきっぱり言った。

ヒメ:うぉぅw

ヒメが笑顔ながらも圧倒される。
これ本人に聞かれたらやばいよね…と思ったからである。

ショータ:ともかく…どうせですから一緒に行きましょう

話が進まないと思い、ショータが提案する。

時流:一緒にイくの?…まぁショタちゃんならいいかしら

時流が一部おかしなイントネーションで言う。

榛希:置いて行くぞ

が、誰も相手をせずに歩きだしていた。

時流:待ちなさいよ!



時流:またあとで
榛希:あぁ。出る時には桶を鳴らすからな

年代がわからなくなるような発言である。

ヒメ:それじゃねっ!

時流とヒメが女と書かれた暖簾(のれん)をくぐり、入る。
男三人も、男と書かれた暖簾をくぐり、番台の老婆に金を支払う。
一瞬、怪訝そうにショータを見るが…

老婆:…

何も言われなかった。

それはともかく…

ショータ:さてと…それじゃ下着の品評会でもしますか?

脱衣場でのショータの第一声がそれだった。

ナハト:しない
榛希:馬鹿言ってないでさっさと入るぞ

しかし、二人はショータを見ることなく、脱衣を済ませる。

ショータ:…あれー?

やけに冷たい二人にショータは首を傾げながら、脱衣する(周囲にいた、若い男達が興奮気味にショータを見るが、平坦な胸を見て落胆し、しかし女性のよう
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まろやか投稿小説 Ver1.30