〜食べるラー油は何故あんなに流行したのか?〜


ショータ:楠楓…お前…
楠:久しぶりね、女装大好きなショタ顔!

睨み合い、対峙する二人。
それと、

ナハト:…

訳もわからず立ち尽くすナハト。
それはそうだろう。
風呂から上がったら何故かメイド(仮)がいたのだから。

ショータ:下がっていてくださいナハトさん。この女は…危険です

ナハトを庇うように、前に立つショータ…の体はバスタオルで胸から隠されている。

楠:人のことを言えるの?この変態!Ne盗り魔!

対する楠楓はメイド服であり、可憐な容姿からは想像もつかない罵声に周囲からの視線は集まりつづける。

ナハト:二人とも、少し落ち着け!

見かねて…というより、ようやっと現実に戻ったナハトは二人を止めようと割って入る。

楠:あなたの話を聞く理由なんかないわ
ショータ:ナハトさん、これは僕達の問題です
ナハト:そうじゃない!

一喝。

楠:…なによ?

楠は不承不承ながら、話を聞く気になったようだ。

ナハト:楠…だったな?取り敢えずここから出るんだ
楠:だから…

反論しようとする楠だったが、ナハトはそれを無視し、周囲の客の為にも言ったのである…

ナハト:ここは男湯だ!

と。
さすがに、女性の前で着替えられる豪の者はいないらしく、周囲の客もうんうんと頷いている。

楠:…え?…はっ!くぅっ!覚えてろーっ!!このショタ顔ーっ!!!

刹那、ほうけて周囲を見回し、ここがどこか気付き…真っ赤になった楠は捨て台詞を残し逃げ出した。

ナハト:…はぁ
ショータ:全く…

息をつく二人。
しかし、ナハトは今度はショータを見て言った。

ナハト:何をしてる?お前が残ってたら着替えられないだろう?早く女湯に戻れ
ショータ:あ!?すいません、すぐに女湯に…ナハトさん
ナハト:ん?

一歩踏み出したショータは振り向かずに、ナハトに問うた。

ショータ:ツッコミするとこですかね?それとも、女湯いやっほーぅ!とか言いながらマジで突撃するとこですかね?

…最低だった。

マーシュ:通報しました
榛希:通報された

騒ぎが気になった二人は出るなり、ショータを冷たい目で見た。

ショータ:いやいやいや、僕、まだ何もしてませんから!

まだ、であり、ナニかするつもりなのかもしれない。
ショータの話を聞き流しながら、男達は着替えだしたのだった。



翌日、閑散とした喫茶店に一組の男女がいた。

スイ:結局、それからどうなったの?

女は実家から戻ってきたスイ。

ナハト:ヒメの取り合いをショータと楠が繰り広げてな。何故かヒメが『私の為に争わないで』って言いながら相坂時流にさらわれた

男はナハト。昨日の銭湯での話をしている。

スイ:さらわれたってw
ナハト:榛希とショータと楠はそれを追いかけていったからな、そこで別れた

昨日の顛末を語り終えたナハトはブラックのコーヒーを一口啜る。

スイ:そっかぁ…あれ?マッシュは?
ナハト:行方不明だ
スイ:また!?w

また…学生時代のマーシュは気がついたらいなくなることが多かったのであ。

マーシュ:私はここにいるぞ!…マーシュでっす!

タイミングを測ったように(実際測っていた)マーシュが現れた。

ナハト:…またわかりにくいネタを
スイ:ハ○ヒじゃないの?今のって
ナハト:フ○フナーだ、蒼窮のファ○ナー
マーシュ:!?…ま、まさか通じるなんて

自分で振っておきながら驚愕するマーシュ。

スイ:まぁいいや、はい、マッシュ、お土産
マーシュ:あざーっす!…『激辛だけどほんの少し優しさのある、飲める激辛ラー油「
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まろやか投稿小説 Ver1.30