ある意味で新世界の神になった幼なじみの話。

注意:このSSはいわゆる壊れ系に属する内容となります。
そういった表現を許容できる方のみ先へお進みください。

























「そんなの、俺のほうが嫌に決まってんだろおぉぉ!!」
「なんで、おまえらを置いていかなきゃいけないんだよ!!」
「俺だって、おまえたちと居てぇよ!!」
「ずっとずっと居たかったんだよ!!」

繰り返し続ける日常。
停滞した時間の中でふたりが強さを得るまで見守ろう。
かつて死の淵で誓った目的。
そして…、その願いは果たされた。
ふたりは強くなった。本当に強くなった。
現実に打ちのめされ、それでもなお諦めずに、ばらばらになったリトルバスターズを再生してみせた。

だから俺はふたりを送り出さなければならない。
もう目的は果たされたのだから…。

そして……。
もうすぐこの世界は崩れ去る。
もとより仲間達の助力があったから保つことができた世界だ。
虚構は消え去りただ現実が残る。
本来世界とはそうあるものだ。
条理をねじ曲げた奇跡がいつまでも続けられる訳がない。
夢は夢、夜明けと共に消え去る儚い存在に過ぎない。

…目覚めの時がきたんだよ理樹。

世界の崩壊に巻き込まれるのは俺ひとりでいい…。
どのみち現実の俺の状況は、助かる見込みなどほとんどない。

だから……ッ。

「早くいけえぇぇ!!!」
「もう迷うな! とっとといけぇーーー!!!!!」

その怒声と共にふたりは走り去る。
誰もいない世界に俺だけが残された…。

最後に…。

みんなと過ごしたこの場所を見て回るか…。

そう思い立ち、あてもなく校舎をさ迷う。

………………つらいな。。

どこもかしこも、みんなと過ごした日々。そのかけがえのない思い出が染み付いていた。

だから…。



…………つらいなぁ。



次第に歩く気力すら失われてゆく。
ふと目についた教室。
そこで、最期の時を過ごすか…。

そうして扉を開いた。





そして…。





起きてはならぬことが、その時起こった。

「あっ、恭介」

………………おい。

扉を開いた先には、居るはずのないヤツがいた。

「おいィィィィーーーッッ!? なんで居んのオマエぇぇぇ!!?」

なぜかそこには理樹がいた。

「やだなー。僕が恭介を置いていくわけないじゃない」

「はぁー!? なんだよ、おまっ…はぁー!?」

正直理解できなかった。理樹がいまだにこの場所にいることも、なぜか妙に嬉しそうなのも含めて全部。
だがそれよりも。

「ち、ちょっとまてっ! おまえ、もうすぐこの世界は消えてなくなるって言っただろう!!」

そう、大事なのはそれだ。
このままでは理樹も世界の消滅に巻き込まれてしまうことになる。

「あ、それなら大丈夫だよ」

「大丈夫なわけないだろッ!!」

極めて重要なことを話しているのにも関わらず、あくまでのほほんと楽観的な意見を述べる理樹に思わず声を荒げる。

「もう、ちょっとは落ち着いてよ恭介…。あのさ、外を見ればだいたい分かると思うから」

「…………外って」

多分にいぶかしげながらも、言われたとおり恭介は窓の外を見た。

「……なっ!?」

そこには、またわけのわからない光景が広がっていた。
この世界は既に役目を果たし、後はただ消えてゆくだけの世界だ。
風は吹かず、雲はいつまでも同じ場所にあり続け、人は誰も居ない。
その筈だった。

にもかかわらず、眼下に広がる世界は、風が吹き、雲は流れ、人々が変わらぬ日常を過ごすありし日の光景であった。

「……
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まろやか投稿小説 Ver1.30