話をしよう。
これは馬鹿な話だ。
ノンフィクションだから安心したまえよ。
これは確か俺が小学校一年生の時だ。
夏休みの宿題に読書感想文がでてな。それがまたなかなかに難しくてな。
先生としては絵本くらいのを期待していたんだろうが、俺は絵本とか好きじゃなくてな。
悩んで悩みぬいた末ライトノベルを読んで書いたんだ。
何度か漢字を読んだり、聞いたりしながら読みきった。
ただ、やっぱり小一には厳しいみたいで内容はよくわからないし、感想は浅いし、という状態だった。
ただ、さすがにそんな馬鹿なことをするのは俺だけだろうと小さいながらに思っていたんだ。
夏休みがあけて、俺は自信をもってその感想文を提出したんだ。
ちゃんとした小説をよんだのは俺だけに決まってる、そんな自信を持ちながら。
案の定俺は先生にびっくりされ、誉められた。
だが、次の瞬間俺はどん底へ叩き落とされた。
理由は簡単である。
俺よりもしっかりした本をよみ、小学四年生顔負けの感想を書いてきた奴が二人もいたからだ。
そいつらがよんだのは一人は芥川龍之介の羅生門。もう一人は夏目漱石の坊っちゃん。
そして何よりショックだったのはそいつらは俺の従姉妹だった、ということだ。
それからはあまり覚えてない。
覚えているのはそれから本の好き嫌いを無くそうとした、ということだけだ。
昔の日記を読んで、思う。
相手が悪かっただけじゃね?と。
二年になり一人は転校し、もう一人はとても暗くなった。
もう一人も中学になり、転校。
んで、何があったかは知らんが高校ではこっちに戻ってきた。
相変わらず頭では勝てないが、なかなかに面白い生活だ。
後ほど、それは語るとしよう。
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