「機会なら、ある。つくれる」
いままで自己紹介すらしてなかった恭介が、口を開いた。
「きょうすけさん?」
「お、イケメン氏がやっと口を開いた。しかもかなりのエロボイス」
「鈴さんのお兄さん?」
「「「恭介?」」」
「できれば、こんな形で会いたくはなかった。
せっかく理樹、クド、葉留佳、来ヶ谷をもてなしてくれた、
そして小毬、佐々美、鈴たちを友達として迎えてくれた君たちに、
いきなりこんなことを申し入れるようなことで、自分を見せたくはなかった」
恭介は、悔しさを堪えて続ける。
「だが俺の力不足で、鈴を怒らせてしまった。
そして俺が就職を抱え込んでいるせいで、リトルバスターズのために、
佳奈多たちが学園祭で取ってくれた時間を、自分の限界をわきまえずに
潰してしまうところだったんだ」
「・・・」
「11月末、俺たちの学校でも学園祭がある。
2日目日曜日の体育館のステージのトリ、1時間分をつとめる予定になっていたのが、俺たちリトルバスターズなんだ」
そこまで言って、いったん一息入れて、恭介は続けた。
「このステージを、放課後ティータイムにやってもらえないだろうか。
俺たちリトルバスターズが全面的にバックアップをする。放課後ティータイムの演奏は、
さっきの梓さんと紬さんの演奏、それから理樹たちが訪れたときの記録を見せてもらった。
きっと君たちなら、うちの学校の連中の度肝を抜くことができると思う・・・
俺の立場とかじゃない、君たちに、君たちなら、任せることにきっと悔いは残らないからだ」
澪さん、梓ちゃん、小毬さん、クドが呆然。
「「お、おい、恭介・・・」」
言い出しかけた謙吾と真人が、恭介の決然たる瞳に圧倒されて黙する。
美魚さん、佳奈多さん、葉留佳さん、佐々美さん、紬さん、和さんは沈黙。
さわ子先生と唯湖さんは、なにか面白げな表情。
そして。
「面白いじゃん!!」
「うわ、すごい申し出だよ!これって、出演してくれって依頼じゃない!!」
律さんと唯さんが、大声を上げた。
「り、律、本当に意味わかって言ってるのか、唯も!!」
思わず大声を上げた澪さん。
「あったりまえだろ、澪」
「そうだよ澪ちゃん」
「そもそも学校外でだぞ。いまの私たちに、そこまでできると・・・」
「・・・できるわよ、澪ちゃん」
紬さんが言う。
「ム、ムギまでそんな」
「澪ちゃんは、過小評価しすぎだと思う。今の私たちを。
よしんば、澪ちゃんが言うほうが本当だとしても、まだ時間はあるわ」
「たった一ヶ月半、いやそれすらないんだぞ!
実質的には1ヶ月で形にできなければいけないんだ、現時点で演奏をみせられると言えるのはコピーを含めてもわずか5曲、唯が作詞をしてるあれをふくめても6曲。6曲じゃ1時間なんて時間は埋まらないんだぞ!」
「ビートルズは1965年にわずか1ヶ月で「ラバー・ソウル」14曲を「なんとか」しましたわ。
その1年前には実質ほぼ同期間で「ビートルズ・フォー・セール」も。
さらにいうなら、この間に「ヘルプ!」もモノにしてます」
「いや、それはそうかもだけど・・・」
「集中して練習すればいいだけの話じゃん。
桜高は先週さっさと中間は終わってるし、期末は12月に入ってから。
べつに全部がオリジナルである必要だってない、半分はコピーでもいいんだしさ。8曲用意できればあとはMCとかでいけるっしょ」
「おまえと唯にそれができるかどうかが心配なんだよ、私は」
集中力は高いけど、持続力のないという話を聞く2人。
「・・・いえ、澪先輩、やっぱりやるべきです」
「梓、おまえまで」
「澪
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