コンコン。
遠慮がちなノックの音に意識が戻ると、もう23時半。
いけないいけない。
「律、消灯過ぎてる。もう寝ないと」
「・・・ん、あ、そうだそうだ」
あわてて蛍光灯を常夜灯に変え、二人で。
「なんで律が下のベッドにいるんだ」
「澪こそ上にいけよ」
「おまえがどけ、上が怖いならエキストラでもいいだろ」
・・・。
「「まあいいか」」
なんとなく空気がそうなっちゃったのと、ベッドが思っていたより空間に余裕があったことが重なって。
「一体何年ぶりだろうな、こうやって寝るの」
「さあてね」
律の寝息をすぐ傍に感じているうちに、私も意識が消えていった。
ええ、翌日には結構後悔しました。
まさか唯達が合鍵で、寝ているうちに入ってくるなんて思わなかったし。
というか合宿モード時には大抵誰かがやるから、気をつけていたつもり、だったんだけどな。
「くっそ、自爆したも同然じゃん・・・」
「ああ、油断した・・・というか安心しすぎた・・・」
2人で「証拠写真」を見せられたときの感想。
唯と梓のニマニマ顔に腹が立つ私たちでした。
せめて和にまで、微笑ましく見られたくないんだけど。
朝7時半、少し早めに視聴覚室に集合。
みんなでコンチネンタル・ブレックファスト。
コーヒーは恭介・唯湖さん・謙吾・佳奈多さん・葉留佳さん・律さん・梓ちゃん。
紅茶は澪さん・唯さん・和さん・佐々美さん・美魚さん・僕。
ホットミルクを選んでるのがクド・小毬さん・鈴・それに真人。
3派が香りをせめぎあった後、このあとの計画を確認する。
8時半ごろに恭介が憂ちゃんと紬さんを迎えにいくこと(戻ってくるのは9時半ごろ)、
その間は適当にボリュームを絞って練習、2人が戻ってきたのを確認したら、
午前中はまず一番大事な曲目の一次決定、それから少し早めに昼食にして(紬さんが3時ごろまでが本当に限界なので)、一度目の通し練習。
それを見学しながら、佐々美さん・謙吾・真人たちを中心にステージのイメージ構築。
2時過ぎにいったん終わらせて、桜高軽音部名物のティータイム。
憂ちゃんと紬さん、それから今回は美魚さんが乱入?して腕を振るう予定。
紬さんを恭介が送ったあとは、順次譜面を確認しながら個人練習。
7時半くらいからご飯、そのあとは今日は自由時間。日曜日は紬さんが最後まで大丈夫なので、
むしろ明日に全力、ということ。
ごく最小限のメイクはしているみたいだけど、軽音部はどうやら皆よく眠れたみたいで、すっきりした顔をしてる。よかった。
こちらは朝が弱い小毬さんや美魚さんが、やっぱりちょっとへろへろ。
小毬さんなんて苦いの苦手なのわかるけど、
蜂蜜まで入れたホットミルクで緊張緩めちゃだめだよね。
もうゆるんゆるん。ほとんどたれぱんだのオーラにのっとられてる。
美魚さんも、ああ見えて昨日、彼女にしてはハイテンションだったのが効いてるかも。
一方でテンションがとにかく高いのが、まあ案の定真人・謙吾・葉留佳さん・クドの4人。
クドがホットミルクなのはむしろわかる。最近真人と一緒に朝練習に行ってるし。
あんまり筋肉筋肉してもらってもそれはそれなんだけどなぁ。
「おぅそういえば理樹、今朝校門前の道路にすごいタイヤのマークがついてたんだけどよぉ、ありゃいったいなんだったんだろうな。この辺暴走族なんかいたか?」
僕に振らないでよ、と思ったところへ謙吾が。
「暴走族だなんていうな、ああいうのは珍走団っていうんだ。だが、そういえばすごい痕があったな、真人。あれはバイクじゃなくて4輪車だな」
昨日夕食に音を聞いたと
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