その10

飛び出していった3人が戻って来たところで。
(ちなみに梓ちゃんが「思わずらしくないことをしちゃいました・・・」と大反省の表情。
で、僕がどうしてまた?って聞いたら、予想外にも耳打ちで教えてくれた。
「だって、辛いの苦手なんです」
それを当然目ざとくみつけた唯湖さん・律さんたちに”可愛がられて”、またしばらく脱線。とほほ)

「オリジナルは全部、もしはずすなら”私の恋はホッチキス”。”カレーのちライス”はここで一度出しておきたいし、一番おとなしいのが”ホッチキス”、今回はできればとにかく飛ばす方向で行きたいから」
澪さんが、美魚さんの入れたニルギリのミルクティーを口にしていう。
「律が大変だけど、できればバラードとかでもたもたしたくない。
そもそもそこまでできる歌唱力は、唯はともかく私にないし、唯の声はバラードには向いてるとはいいにくいし。
理解しやすく人をひきつけやすいアップテンポの方がいいと思う」
「1曲くらいは入れても構わないとも思うが、ここまでオリジナルに1曲もスローテンポがないな。うん、体力がもつならその選択もありだな。苦しければ、MCとかで少し時間をとるのも手だ」
応えて唯湖さん。
「あと、オリジナルはともかく、コピーについてはリトルバスターズに手伝いをお願いしたい。
もとがリトルバスターズのステージだったということ、佳奈多さん、葉留佳さん、クドちゃん、
和、憂ちゃんたちが参加を申し出ていることもある。
オリジナルでもコーラスは参加してほしいくらいだが、コピーについてはバラエティを少し広げて、ステージの楽しさをだしていきたい」
律さんがうなづいたのをみて、澪さんが言葉をきる。
「ところでゆいちゃんは参加してくれないの?」
「私は少々悪目立ちするところがある。良くも悪くも有名人だからな。私が表立って変なイメージが付くのは避けたい。それになんといっても、際だつ美少女たちが汗を浮かべて走り回るところを、ハァハァするほうが私は好みだ」
「「「「「「おいおいおいおい・・・」」」」」」
口に出したのが6人、さもありなんって顔をしているのが3人。
「私は、来ヶ谷さんとツインキーボードをしてみたいのですが」
「いや、キーボードはひとりでいい。もしやるなら60年代の曲でオルガンをやるほうがいいだろう。確かにキーボードは、しゃしゃり出る、という印象を与えかねない部分がある」
「そこで、だ」
律さんが口を挟む。
あたしたちが検討してみたのはこの曲たち。英語詩は唯が大変なのと、洋楽は結局全部男声ボーカルになっちゃったから、澪がリードで1曲か2曲だけ、という方針で行きたい。
ビートルズ:”ヘルプ!”、”チケット・トゥ・ライド(涙の乗車券)”、
”シー・ラブズ・ユー”、”ペイパーバック・ライター”
ブライアン・アダムス:”サマー・オブ・’69”、”ヘブン”、
”アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー”
ボブ・ディラン:”テル・ミー,ママ”、”ハリケーン”、
”フォーリング・フロム・ザ・スカイ”、”シリーズ・オブ・ドリームス”
ヴァン・ヘイレン:”ユー・リアリー・ガッタ・ミー”、”オー・プリティ・ウーマン”、
”ジャンプ”、”パナマ”
ボン・ジョヴィ:”ランナウェイ”、”TOKYOロード”、
”ユー・ギブ・ラブ・ア・バッド・ネーム”、”リヴィン・オン・ザ・プレイヤー”
あとU2で”アイ・スティル・ハブント・ファウンド・ホワット・アイム・ルッキング・フォー”、
ブルース・スプリングスティーンから”ボーン・トゥ・ラン”、”サンダーロード”。
うわぁ。これはまたすごい面子。

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まろやか投稿小説 Ver1.30