00 プロローグ

とある町には都市伝説がある
その都市伝説とは、駅前商店街の近くに「それ」がある、そこに行くと願いをかなえてくれるだろう、といったもの。
だが、いつでも行けるとは限らない
それが都市伝説となった理由である。


その駅前商店街は別に、新しいわけではない、その町が大都市なわけでもない

ただその商店街は昔から今も住民たちから愛され、親しまれているのだ
駅が建てられてから約50年の時が過ぎたが、商店街は寂れるどころか日に日に活気を増しているようにも見える。

朝は出勤前のサラリーマンたちでごった返し、
昼はご婦人たちが買い物を楽しみ、
夕方は学校帰りの学生がにぎやかに、
夜はネオンが華やかに輝く。

そんな商店街には多くの交差点があった。
いつもにぎわっているため、駅前通り近くの店もなかなかの売り上げが期待できる。
そう、曲がった先にも商店街の大通りと同じぐらいに商店が立ち並んでいたのだ。
けれど一つだけ例外がある

商店街を駅から北に進んで7つ目の左の曲がり角
そこには大通りや、他の曲がり角と比べると驚くほど店数が少ない

左に曲がってからは、ただまっすぐに進む
曲がらず、まっすぐに
すると、右に古ぼけた看板が見えるのだ

手作り感のあふれるその看板にはこう書いてある

         
       古書店 太陽堂


駅前商店街のちかくに、「それ」はある
商店街を駅から北に進んで7つ目の曲がり角
曲がってからは、まっすぐ進む
そして運が良ければ見えるだろう
右方向に古ぼけた看板が
木造の小さな建物が

古書店 太陽堂が
11/01/16 09:21更新 / リカ

続編へ
TOP 目次
投票 感想
まろやか投稿小説 Ver1.30