直枝 理樹 18歳

僕には、秘密がある。

僕は、魔術師だ。



「初めまして、君が僕のサーヴァント?」

僕は目の前の純白の騎士に問いかける。

「はい、マスター」

「マスター…ね」

フウとため息を1つつく。

「とりあえず自己紹介、僕は直枝 理樹見ての通り魔術師」

「私はサーヴァント・セイバー・リリィ真名はアルティア・ペントラゴン」

どうやら、僕は最高のカードをひいたらしい。イレギュラーだが。

「君があの有名なアーサー王か」

「いえ、私はその双子の妹に当たります」

僕はその言葉に驚きを隠せなかった。

「アーサー王に妹なんて居たんだ…」

「はい、私には双子の姉が」

アーサー王って女性だったんだ…。

「ま、いいかな、それより、君の宝具は聖剣・約束された勝利の剣『エクスカリバー?』」

「いえ、私の宝具は勝利すべき黄金の剣『カリバーン』です」

この時僕はさらに驚いた。伝承では勝利すべき黄金の剣はアーサー王が騎士道に反する行いをして折れたとされているからだ。

「勝利すべき黄金の剣って折れたんじゃないの!?」

「いえ、これは姉上が約束された勝利の剣を取った時、直々に私に授けました」

なぜかわからないが伝承と食い違いがあるようだ。

「わかった、そこら辺は置いておいて、今日はもう休もう。」

「それが命令であるならば私はそれに従うだけです」

固いなあ…仕方ないと言えば仕方ないけど

「明日は動かないとな」

そして、僕はベッドに倒れ込んだ。



「…起きないと」

眠い目を擦りながら無理矢理意識を覚醒させる。

上でイビキをかきながら寝ている同級生・井ノ原 真人に一発拳を見舞いたくなったのは秘密だが。

制服に着替え顔を洗う。

昨日のうちに用意しておいたカロリーメイトで腹を満たす。

そして歯を磨き準備は終了靴をはき外に出る。

「さあて、教会に行かないと」

外に出て呟く。

まだ、動きたくないと言っている体を支配するための暗示だ。

「セイバー」

「ここに」

「今から教会に行くけど、霊体化したまま周辺の警戒を頼める?」

「心得ました」

これで大丈夫だろう。



教会、朝の薄暗いなかひっそりとそこに建っていた。

「おはようございます。言峰シスター」

「おはようございます。直枝 理樹」

「聖杯戦争の登録に来ました」

「そうですか、では、次にランサーのサーヴァントが召喚されれば聖杯戦争の開幕ですか」

「ええ、そういえばもう冬木の聖杯戦争は始まっているとか」

「その通りです」

情報網ではかなりの激戦区のようだ。

まあ、あそこは聖杯を作った家計が集まってるから仕方ないか。

「では、僕もそろそろ行くとしますか」

そう、戦場へだ。

「勝つよ、セイバー」

「望みとあらば」

こうして、僕達のコンビは最初の一歩を踏み出した。



「遅れてすみません!!」

僕は教室に駆け込む。

勿論、セイバーには霊体化して着いてきてもらっている。

「おー、直枝か、一体何処行ってたんだ?」

「野暮用です」

適当に切り返して席に座る。何故、こんな時ばかり真人は起きてしまうんだろう? 前の日曜なんてどんなに起こしても起きなかったのに。

席に座りそんなことを考えている間にいつの間にか授業が進んでいたので、急いでノートを取った。

前途多難だなあ。



「よぉ、理樹、朝どっか行ってたんだって?」

クラスメイトの恭介が話しかけてくる。

ちなみに留年だ。

まあ、仕方ないと言えば仕方ない。

授業すっぽかして金沢の山奥に金鉱探しって、いくらなんでもやりすぎだと思う。それも1ヶ月。

まあ、本人は僕達と一緒に卒業できるのが嬉しいとかほざ…言ってたけど。

「うん、ほんの少しね」

僕は曖昧に返す。

聖杯戦争の事を知られる訳にはいかない。

「ま、いいさ、あんまり危険なことするなよ?」

うん、わかってるけど、恭介には言われたくないよ。



夜、やっと行動を開始する。

「セイバー、とりあえず、僕はともかく君は知らないだろうから、町を案内する」

真人はとっくに寝ているのは完全な余談だ。

「それが命令であるならば…」

「じゃあ行こうか」



「…ここがこの町の中でも特に魔力が集まるところ」

ちなみにここは神社だ。

大抵、神社なんかは霊脈になりやすい。

あと、ここほどではないが学園も意外に魔力が多い。

「まあ、重要な拠点はこんなものだね」

特にキャスターなんかはここをよく狙うだろう。

「マスター、これからの戦略はどう建てていくつもりですか?」

「できれば潰しあってくれて残った最後のサーヴァントを後ろからサクッと殺りたいけど無理だろうね」

人生はそんなに甘くない。

「では討って出ますか?」

「そこら辺はあとから考えるよ」

こうして僕の聖杯戦争初日は終了した。









クラス マスター 真名 性別身長体重 属性 能力 クラス別能力

セイバー・リリィ直枝理樹 アルティア 女性

154cm

44kg 秩序・善 筋 A 魔 B 対魔力:A

騎乗:C

耐 C 幸 B

敏 C 宝 C



宝具 勝利すべき黄金の剣

『カリバーン』ランク:A



追記:直枝理樹とセイバー・リリィのコンビ、セイバー・リリィはイレギュラー扱い





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