第二話
IFの世界
第二話
「みんな久しぶり」
きょうすけ は かたまっている。
りん は かたまっている。
まさと は かたまっている。
けんご は かたまっている。
「ん?なんだお前ら知り合いか?」
「はい、ちっちゃい頃からの」
「よし、次の時間は俺だから自習だ。質問するのはいいが直枝に迷惑かけんじゃねえぞ。そこの固まってる奴らと積もる話もあるだろうしな。後は直枝の席だが、棗兄が座ってる所だ。」
教師の「自習始め」の一言にまたザワつきを取り戻したクラス。俺ら四人は理樹の席の周りに集まっていた。
「理樹、転校するならするで事前に連絡ぐらいしてくれ心臓に悪い」
「謙吾の言うとおりだぜ、流石の筋肉さんたちもあまりの出来事に驚いちまったぜ」
「あたしもくちゃくちゃ、いや、けちゃけちゃびっくりしたぞ」
「ごめんね驚かせたかったんだ」
昔のように和気藹々と話す謙吾、真人、鈴そして理樹。俺はまだ固まっていた。何故だ、何故誰も突っ込まない!転校云々の前にもっと追及すべきところがあるだろう!
「ちょっと待てお前ら。もっと聞かなきゃいけないことは無いのか?」
「…一体何のことだ?」
「あたしは知らないぞ」
「俺の筋肉もしらねえって言ってるぞ」
「?」
そうかい…分からないかい…なら言ってやるよ、俺が言ってやるよ。
俺は理樹を指差して言った。
「お前、女だったのかよ!!」
「「「「…は?」」」」
四人に「この人何言ってるの」的な目で見られる。
「な、なんだよ…」
「恭介さんよ、それマジで言ってんのか?」
「理樹は昔から女だろう」
「アホだな」
いや、だって理樹は…あれ?ちょっと待て俺もよく分かんなくなってきたぞ。「理樹」ってのは男の名前で、いつも「僕」って言ってて、スカート穿いたとこなんか一度も見たことがなくて…。でも、男だって確信するようなところあったか?
「まあ、理樹も昔は男物の服を着ていたし、一人称も『僕』だからな間違えても無理は無いだろう。まして、恭介は一学年上でプール授業なんかを一緒に受けたわけでもないしな」
俺があーとかうーとか唸りながら悩んでいると謙吾が助け舟を出してくれた。
「まあ、理樹の髪も昔は短かったしな。バカ兄貴の勘違いも許してやる」
「って!おまえが許すのかよ!そこは理樹が許すところだろうが」
「「………」」
「…何だよおまえら、まるで、こいつは幼馴染のちょっとした言動にすぐ突っ込む筋肉ばかり馬鹿でかいくせに心の小さい野郎だ!とでも言いたげだな…って褒められてね!?」
「いや、それは違うが」
「何だ、違うのか」
相変わらずいい言いがかりをする奴だぜ。
「ただ、俺も恭介も真人が正論を言ったことに素直に驚いてるだけだ」
「ありがとよ」
「こいつバカだ!」
ふ、と若干置いてけぼりになってしまった理樹のほうを見ると楽しそうにクスクスと笑っていた。あと、周りの何人かが理樹の笑顔を見て悶絶しているが気にしないで置こう。
「理樹?」
「ん?みんな変わってないなーって思ってただけだよ。僕も鈴も昔より強くなった、真人も謙吾も、もちろん恭介も変わった。けど、やっぱりみんな変わってない」
「…バーカ、みんな変わったんじゃない成長したんだ。人の根っこの部分がそう簡単に変わるわけないだろ」
やたら可愛い笑顔で嬉しそうに話す理樹の方を見れなくて、ちょっとそっぽ向いて理樹の頭をクシャクシャなでながら俺は言った。横目で見たら理樹もちょっと照れくさそうに恥ずかしそうに、でも嬉しそうに小さく「うん」と言っていた。
そこで後から声をかけられた。
「そろそろ、いいかな恭介氏」
第二話
「みんな久しぶり」
きょうすけ は かたまっている。
りん は かたまっている。
まさと は かたまっている。
けんご は かたまっている。
「ん?なんだお前ら知り合いか?」
「はい、ちっちゃい頃からの」
「よし、次の時間は俺だから自習だ。質問するのはいいが直枝に迷惑かけんじゃねえぞ。そこの固まってる奴らと積もる話もあるだろうしな。後は直枝の席だが、棗兄が座ってる所だ。」
教師の「自習始め」の一言にまたザワつきを取り戻したクラス。俺ら四人は理樹の席の周りに集まっていた。
「理樹、転校するならするで事前に連絡ぐらいしてくれ心臓に悪い」
「謙吾の言うとおりだぜ、流石の筋肉さんたちもあまりの出来事に驚いちまったぜ」
「あたしもくちゃくちゃ、いや、けちゃけちゃびっくりしたぞ」
「ごめんね驚かせたかったんだ」
昔のように和気藹々と話す謙吾、真人、鈴そして理樹。俺はまだ固まっていた。何故だ、何故誰も突っ込まない!転校云々の前にもっと追及すべきところがあるだろう!
「ちょっと待てお前ら。もっと聞かなきゃいけないことは無いのか?」
「…一体何のことだ?」
「あたしは知らないぞ」
「俺の筋肉もしらねえって言ってるぞ」
「?」
そうかい…分からないかい…なら言ってやるよ、俺が言ってやるよ。
俺は理樹を指差して言った。
「お前、女だったのかよ!!」
「「「「…は?」」」」
四人に「この人何言ってるの」的な目で見られる。
「な、なんだよ…」
「恭介さんよ、それマジで言ってんのか?」
「理樹は昔から女だろう」
「アホだな」
いや、だって理樹は…あれ?ちょっと待て俺もよく分かんなくなってきたぞ。「理樹」ってのは男の名前で、いつも「僕」って言ってて、スカート穿いたとこなんか一度も見たことがなくて…。でも、男だって確信するようなところあったか?
「まあ、理樹も昔は男物の服を着ていたし、一人称も『僕』だからな間違えても無理は無いだろう。まして、恭介は一学年上でプール授業なんかを一緒に受けたわけでもないしな」
俺があーとかうーとか唸りながら悩んでいると謙吾が助け舟を出してくれた。
「まあ、理樹の髪も昔は短かったしな。バカ兄貴の勘違いも許してやる」
「って!おまえが許すのかよ!そこは理樹が許すところだろうが」
「「………」」
「…何だよおまえら、まるで、こいつは幼馴染のちょっとした言動にすぐ突っ込む筋肉ばかり馬鹿でかいくせに心の小さい野郎だ!とでも言いたげだな…って褒められてね!?」
「いや、それは違うが」
「何だ、違うのか」
相変わらずいい言いがかりをする奴だぜ。
「ただ、俺も恭介も真人が正論を言ったことに素直に驚いてるだけだ」
「ありがとよ」
「こいつバカだ!」
ふ、と若干置いてけぼりになってしまった理樹のほうを見ると楽しそうにクスクスと笑っていた。あと、周りの何人かが理樹の笑顔を見て悶絶しているが気にしないで置こう。
「理樹?」
「ん?みんな変わってないなーって思ってただけだよ。僕も鈴も昔より強くなった、真人も謙吾も、もちろん恭介も変わった。けど、やっぱりみんな変わってない」
「…バーカ、みんな変わったんじゃない成長したんだ。人の根っこの部分がそう簡単に変わるわけないだろ」
やたら可愛い笑顔で嬉しそうに話す理樹の方を見れなくて、ちょっとそっぽ向いて理樹の頭をクシャクシャなでながら俺は言った。横目で見たら理樹もちょっと照れくさそうに恥ずかしそうに、でも嬉しそうに小さく「うん」と言っていた。
そこで後から声をかけられた。
「そろそろ、いいかな恭介氏」
10/01/19 23:25更新 / ツチノコ