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花ざかりの理樹たちへ その14 ~学校・午前中編~ (リトルバスターズ)
作者:m (http://milk0824.sakura.ne.jp/doukana)

紹介メッセージ:
 恭介の思いつきで始まった王様ゲームにより、理樹は……。各編はほぼ独立していますので、途中からでもお楽しみ頂けます。

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■■■ ――エピソード・真人―― ■■■ (『その12』と併せてお楽しみください)





「――あ、なんだ、おまえ、もっぺん言ってみろ」

「暑苦しい、と言っているんだ」

なんっつーか、一言一言がホント腹の立つヤツだぜ。

もしかして謙吾の野郎、オレの行動にケチつけるのが趣味なんじゃねぇのか?

……あれ? そもそも、なんでオレ頭にきてたんだっけ?

やべ、よくわらなくなってきた。まあ細かいことはどうでもいいか。

とにかく今日こそケリをつけてやるよっ!!



――オレと謙吾が真っ直ぐに睨み合う。

ヤツの動きの全てに全筋肉を集中する。

こいつとの勝負は一瞬の気の緩みが敗北につながる。

謙吾の方も同じようだ。

オレの筋肉の動き一つ見逃さねぇ、そんなツラをしてる。



それはオレが上腕二頭筋に気合いを入れたときだった。



――スッ!



「おわっ!?」

いきなり目の前に何かが立ちふさがった!

って、女かよ!?

よくわからんが、女が突然現れてオレを見上げている!?

女の目からは、その鍛えられ上げられた美しい筋肉を謙吾ごときに使っちゃダメ、ということが見て取れる。



「な、な、なんだよ?」

女はオレの問いかけには答えず、まじまじとオレの目を見つめてくる。

背は、来ヶ谷くらいか。

顔は……。

やべぇ、めちゃくちゃ可愛いぞっ!

なんっつーか、見てて落ち着くというか。

――ドックンドックン。

このコ、オレの好みじゃね?

……いや、待てよ。

どこかで見かけたことがあるような。

――感じたことのある雰囲気……な気がする。

………………。

やっぱり思い出せねぇ!

「あ、あーっと…ここのクラスのヤツじゃないよな?」

とりあえず、無難どころで聞いてみた。

…………。

…………。

って、オレのこともう見てねぇーっ!?

どこか違う場所に意識がいってる、そんな感じだ。

そう思って見ていると。



――ピクッ

女の子が、不自然な反応をする。

「ん? どうした?」

さっきまで違う所を見ていた女の子が、またオレに目線を戻す。



――にゅっ

彼女の両方の細腕がオレの鋼のような胸板に伸びてきた。



――ぺちぺちぺちぺちっ

「な、なななななななーっ!?」

突然女の子は、オレのナイフも弾くような胸板を両手で叩き始めたっ!

な、な、なんじゃこりゃあーーーーーーっ!!

新手のご挨拶か何かか!?

しかもすげぇ真顔だぞ!

――ぺちぺちぺちぺちっ

女の子は真剣な表情で、オレのダンプのタイヤほどの硬さの胸板をタッピングし続けている!

――さすがのオレの筋肉さん達も恥ずかしさを訴えはじめたっ!

お、お、落ち着け真人! 彼女の行動には何か考えがあるはずだ!

タッピングされ続ける中、一つの仮説が頭に浮かんだ。

――ぺちぺちぺちぺちっ

小気味良いタッピングで仮説が真実へと導かれる――。

「……そ、そうだったのか、わかったぜ……」

女の子は手を止め、ようやく私の気持ちを受け取ってくれたのね、という顔でオレを見上げた。

「フッ…オレの推理を――いや、真実を語ろう」

「――キミはこのオレの美しい筋肉に用があった」

「ここに来てみると、目の前にたくましい胸板がそびえ立っているではないかっ!」

「キミは我慢しきれずに、思わずぺちぺちしてしまった……違うか?」



――にっこり~

君は輝くほどの最高の笑顔で



――こくんっ!

オレの鍛え抜かれた筋肉を迎え入れた。



「ンっなーーーーーーッ!?」

――ま、まぶしいっ! 彼女から眩くほどの光が発せられているっ!

彼女は天使だ!!

突如オレの元に舞い降りた筋力の御使いに違いない!!

その証拠に。



――じぃーっ、ぺちぺちぺちぺちっ

今や彼女は熱い眼差しでオレを見つめ、オレの弾丸も通さないような胸板を、それはそれは嬉しそうに叩いているではないか!

……いや、待てよ……。

そうなると、このタッピングは……。

求愛行動なんじゃねぇのかっ!?

そう考えると全ての辻褄が合う。

オレの思考はどんどん加速していく!





……一緒に腹筋をする仲にまで発展したオレたち。

もちろん彼女はオレの足を支えてくれている。

笑顔で腹筋を続けるオレたち。

だがオレの筋肉のうなりは正直すげぇ。

彼女がうなりに耐え切れず放り出される。

タイミングよく起き上がるオレ。

覆いかぶさってきた彼女とオレは……!





――ドックンドックン

――ドックドックドックッ!

――ドッドッドッドッドッドッ!!

体の奥底から熱いものがこみ上げてきた!

これって、まさか『恋』か?

これが『恋』ってヤツなのかっ!?



熱いものが頂点に達する!!

――ブブブハァーーーッ!!

恋をしてるってのにこれから授業だと!?

こんな熱い気持ちのときに、なんで授業なんて受けなきゃならねぇんだ!?

「やってられっかぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁーーーっ!!」



居ても立ってもいられず、オレは全力で教室を飛び出した!


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