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花ざかりの理樹たちへ ~プロローグ~ その2(リトルバスターズ)
作者:m

紹介メッセージ:
 恭介の思いつきで始まった王様ゲームにより、理樹は……。各編はほぼ独立していますので、途中からでもお楽しみ頂けます。



食堂に着くと、全員が勢ぞろいしていた。

……いや、張本人の恭介がいない。

「リキさん、井ノ原さん、ぐっどもーにんぐ、ですー」

「理樹、真人。おはよう」

「おはよう」

「おー」

元気なのはクドと謙吾だけのようだ。

他の面々は……

「眠いんじゃ、ぼけー」

鈴はフラフラしながら怒ってる。

「眠くない~……眠くない~……」

と、コクリコクリしている小毬さん。

「か、かわいい……」

ここぞとばかりに小毬さんに抱きついている来ヶ谷さん。

「はるちん、低血圧~」

葉留佳さんはテーブルにグタッと張り付いている。

「…………」

西園さんは…目の焦点が合っていない。





「よし。全員そろったようだな」

恭介がどこからともなく現れる。

この場にいる全員から、「?」の視線が注がれている。

「恭介、これはどういうことだ?」

「説明によっては……わかっているだろう、恭介氏?」

「まぁそう急かすなよ」

……急かすも何も、急がせたのは恭介じゃないか。

「じゃぁ、早速……」

「パッパカパ~ンッ! 第一回『王様だーれだ? ~今日一日私はアナタの僕(しもべ)~』開催ーっ!!」

「はい、拍手~!」

――ぱち、ぱち――

数人からまばらに拍手が送られる。

「…………」

ほとんどのメンバーは「ハァ!?」といった顔だ。

「……なあ恭介」

「ん? なんだ?」

「……それは、こんな朝っぱらから全員を集めなきゃならないものか?」

真人から真っ当な疑問が飛び出した。

「朝に思いついて、やりたくなったんだから仕方ないじゃあないかッ!!」

「こいつ、馬鹿だ!」

「はっはっは。おねーさんはノリノリだぞ」

「ルールはシンプルだ」

「今じゃんけんをして、一番に勝ったヤツが、一番負けたヤツを好きなように出来る」

「しかも一日中だ」

「どうだ? ワクワクするだろ?」

「……そんなダメだよっ! 一体誰が……」

反論して、みんなの同意を求めようとすると……



「はははっ、面白そうじゃないか」

そうだった。謙吾はネジが外れてから、こういうことが大好きだった……。

「うおーーーーっ!! 筋肉祭りだぁぁぁーーーっ!!」

すでに真人はスクワットを始めてる。

「面白いこと思いつくじゃないか」

鈴は感心している。

「わふー! 一日中フリスビーですっ」

「クーちゃん、がんばろ~ね」

クドと小毬さんもやる気マンマンだ。

……この二人だったら無茶な注文はしないだろうな。

「…………」

「……ぷぷぷぷぷーっ!」

葉留佳さんは一人で吹き出している。勝ったときの想像をしてるのだろう。

……葉留佳さんが一番になると非常に危険な気がする。

「……女王様と犬。――ぽっ……」

西園さんはあらぬ想像をしているようだ。

「…………」

来ヶ谷さんは……もう獲物を物色している。

この人が一番になると……とんでもないことになりそうだ。いろいろと。

はぁ……。

みんな眠気も吹っ飛び、やる気十分みたいだ。

「理樹、トップになることだけを考えるんだ」

――恭介から良くわからない励ましを受けた。