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花ざかりの理樹たちへ その11 ~学校・午前中編~ (リトルバスターズ)
作者:m (http://milk0824.sakura.ne.jp/doukana)

紹介メッセージ:
 恭介の思いつきで始まった王様ゲームにより、理樹は……。各編はほぼ独立していますので、途中からでもお楽しみ頂けます。

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――校舎に入ると……



「理樹君、これを装着してくれ」

「これは……」

見慣れた無線機を来ヶ谷さんから手渡される。

「恭介氏から拝借した無線機だ」

「あたしが使ってたやつと同じだっ」

鈴がリトルバスターズの勧誘ミッションのときに使用した物と同じ物だ。

――僕はイヤホン型の無線機を耳に装着した。

『あ~本日は晴天なり~本日は晴天なり~』

来ヶ谷さんの声がイヤホンから響く。

わざわざ使い古された確認文句を使う辺りが来ヶ谷さんらしい。

「感度良好だよ」

「……その顔でそのセリフを言われると、なんかえろいな」

「エロくないよっ」



「うむ、今からキミにミッションを命ずる」

――改めてミッションと言われると緊張するな。

「一人でクラスまで行き、真人少年を誘惑せよ」

「……え、えええぇーーーっ!?」

今までみんなと一緒だったから大丈夫だったのに……さすがに一人となると……

――じゃなくてっ!

「ま、真人を誘惑って!」

さすがにそれは無理がある気が……。



「あの馬鹿ならイチコロだな」

鈴がうんうんと頷いている。

「あははははあのきんにくダルマなら瞬殺ッスよっ」

葉留佳さんは、いつもの真人の頭を抱える様子を真似している。

「真人君のよろこぶ顔がうかぶよ~」

のほほんとしている小毬さん。

「井ノ原さんは前々からリキのことが好きなんじゃないのですか?」

って、クドからいきなり爆弾発言。

「……井ノ原×直枝……美しくありません」

西園さんがすごく怒っている……。

「まあキミは、もはや美少女だ」

来ヶ谷さんの言葉に、みんなも嬉しそうにコクコクと同意する。

「今のキミなら容易く真人少年を虜に出来るだろう」

「そして真人少年がメロメロになったところで……正体を明かす」

「どうだ? 想像するだけで楽しいだろう?」

「さっすが姉御ーっ! 極悪人ですナーっ」

――来ヶ谷さん……まさにオニだ。





「ミッション・スタート!」

来ヶ谷さんに背を押され、みんなの下を後にする。

――恭介が女になったら、来ヶ谷さんみたいなのかもしれない。

無線機から「がんばって~」「落とせー」「わふー」と応援の声が聞こえてくる。





…………

一人で廊下を歩く。

…………

鈴もミッションのとき、こんな気持ちだったんだろうな。





――程なくして、教室に到着してしまった。

「……教室に到着」

『うむ、教室の前のドアから教室に突入しろ』

「ラジャー」

……どきどき。

……どきどき。



――ガラガラッ。



教室のドアを開けて教室に入る。

毎日毎日いる教室なのに、今日は雰囲気が変わって見える。



――ガヤガヤとしていた教室が一瞬静寂に包まれた後、喧騒を取り戻す。



「……お、お、おおおおいあのコどこのクラスのコだよっ!?」

「おかしい、おかしいおかしい!! ボクのデータブックにあの娘のデータが存在しない!?」

「ターゲットロック・告白モード・ニ・移行・シマス」

「待て田中! まだ時期尚早だ!」

「な、なにあの娘っ!! キーーッ! ちょっとぐらい可愛いからってさ! 私のほうが数倍可愛いわっ」

「あんたの顔はどこからどう見ても、11代将軍・徳川家斉にクリソツでしょ……」

「あぁ! 貴女をお見かけしたが最後、私のこの身も!心も!全ては貴女様のもの……」

「目がっっ!? 目がっっ!?」

「蒸花!? またメガネ落としちゃったのっ」



……いつも一緒にいるクラスメイト達なのに、誰も僕だと気づいていない。

――それよりも……なんというか反応がすごい。

『はっはっは、クラスの誰にも気づかれていないようだな』

『第一段階成功だ』

『真人少年は確認できるか?』

真人の席を見る。

「……真人の席に、真人と謙吾がいるよ」

……謙吾までいるとなるとミッションコンプリートは難しいだろう。

『標的を真人少年に絞っていくぞ』

『さすがに二人同時は辛かろう』

『……そもそも、謙吾少年が女性に興味があるのかが疑問だ』

さらりと酷いことを言っている。

『――謙吾はホモなのか?』

……鈴が来ヶ谷さんに質問している声が聞こえる。

『ホモだ』

って、断言してるし!

『――言われてみればあいつ、制服を着るとホモっぽいな』

――ああ謙吾、ご愁傷様……

……身に覚えのない軋轢(あつれき)が、鈴との間に生まれてしまった謙吾を哀れむ。



『理樹君、ここから会話は無しだ』

「えっ?」

『今のキミの外見なら、たとえ幼馴染と言えども、まず理樹君だと気づかないだろう』

『だが、声を出せば気づかれる可能性が高い』

『指示は出すが、返答はしなくて良い』

「が、がんばってみるよ」

『うむ、健闘を祈る』


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