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かなたんでGO! 第10回 (リトルバスターズ)
作者:m (http://milk0824.sakura.ne.jp/doukana)

紹介メッセージ:
 素っ気無し、愛想なし、配慮なしの佳奈多が送る シュール系ラジオ。2009年にTraffic jamで全13回放送(書いた)。実際にお便り募集を行なっていました

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前回かなたんでGOリスト次回

こんばんは。

私は風紀委の委員長を務めている二木佳奈多。

それじゃあ、さっそく始めましょうか。

『かなたんでGO!』



はぁ…。

クリスマスイヴね、今日は。

言ってみただけよ。

私には全く関係ないし。

今日はこれと言って話すことはないわ。

あ、そうそう。

そういえばちょっとしたことがあったわね。

さっきまで葉留佳とかクドリャフカとか直枝――まぁリトルバスターズね。

無理に手を引かれてクリスマスパーティに参加させられてきたわ。

もう、あのメンバーといったら。

まさに大騒ぎよ。

葉留佳ははしゃぎまわった挙句、喉にものを詰まらせるし。

横の私の身にもなって欲しいわ。

クドリャフカは次から次へと新作料理を出してくるし。

クリスマス…というよりおせち料理ね、あれは。

来ヶ谷さんは来ヶ谷さんで、直枝を引き寄せようとするから引き離すのに大変よ。

次にあのようなことをしたら風紀委員長の権限であなたを拘束しますから。

井ノ原は…上半身裸で外に出て、体に雪をくっつけて『筋肉スチーム!』とかやってたわね。

体から溶けた雪の湯気が上がって…気持ち悪すぎ。

棗先輩なんてなぜか首から上だけサンタクロースの格好で『フォッフォッフォ』言いながらクラッカーを連発。

クラッカー何個用意してたのかしら?

何をしたいのか全くわからない連中ね。

…………。

…………。

…………。

たまにはああいう馬鹿騒ぎも悪くないわね。

……。

ラジオがあったから途中で抜けてきたけど。

…ふん、別に後ろ髪引かれる思いなんてこれっぽちもなかったわ。

……。

それと今日は大事なお知らせがあるわ。

来週12月31日と1月7日はラジオがお休みだそうよ。

なんでもプロデューサーが忙しいらしいわ。

お知らせは以上。

気分を切り替えて、さっそく最初のお便りを紹介しようかしら?

ラジオネーム・かなちゃんと一緒にいる時間が一番長いのは私よさんから頂きました。



『メリークリスマス、かなちゃん! 今日もお疲れ様ねー! もしかして予定とかあった? そうだったらラジオを休んでくれてもよかったんだけど……かなちゃんに予定があったら、あーちゃん、寂しいっ(笑) 彼氏が出来たらまずは私に報告よ♪ かなちゃんに相応しい男かどうか私が見極めてあげるから♪ それじゃあ、がんばってね』



あ、あーちゃん先輩っ!

変なことを手紙に書かないでくださいっ。

彼氏なんて作るつもりなんて毛頭ありませんっ!

誰かを好きになるなんて馬鹿馬鹿しい。

恋愛なんて私には無縁ですから。

す、好きな人もいないし。

……。

……。

あ、ええと。

次ね、次。

続いていつものコーナー。

『かなちゃんのらぶり~アドバイス』

リスナーの悩みを大募集。

それをこの私、二木佳奈多が解決するコーナーよ。

最近学校でまで悩みをもちこむ生徒がいるけど、別に仕事でやってるだけだから。

お礼にお菓子とかもらっても困るだけよ。

…ま、まあ、とりあえずありがとうと言っておくわ。

では一枚目。

ラジオネーム・匿名希望さんから頂きました。ありがと。



『佳奈多さん、こんにちは』 こんにちは。

『これが放送されるのはクリスマス・イブだと思います。俺は間違いなく一人でクリスマスを過ごします。不幸です。不幸のどん底です。どうしたらいいでしょうか?』



不幸だと思わなければいいじゃない。

そうね…不幸を英語で言えばいいわ。

アンハッピー。

ア~~~ンハッピ~~ッ!!

どう?

なんか幸せそうに思えてきたでしょう?

…………。

……。

わ、私は普段そんな事を考えたりしてないから。

つ、次よ、次。

ラジオネーム・うんがーさんから頂きました。ありがと。



『ねえ。あなたがラジオ番組をやっているTRAFFIC JAMなんだけど、二木さんとかさささ…ささ…ささなんとかさんのSSは多いのになんで新ヒロイン好感度抜群のあたしのSSが少ないのかしら?』



書きにくいから。

次。

ラジオネーム・銃さんから頂きました。ありがと。



『寝ていると誰もいないのにいきなり背中を押される様な感覚があるのですがやはり霊なのでしょうか?』



間違いなく霊の仕業ね。

志半ばで無念の死を遂げた指圧師の亡霊よ。

夜な夜な凝っている背中を見つけては揉んでいく基本的には害がない浮遊霊だったりするけど、マッサージチェアのスイッチをONにしてそのままうたた寝てしまったことが原因ね。

次。

ラジオネーム・長門さんより頂きました。ありがと。



『バファリンの半分の主成分は優しさと聞いたが、もう半分の構成を知りたい』



愛しさと切なさと心強さよ。

次。

ラジオネーム・筋肉革命さんから頂きました。ありがと。

この葉書き…蛍光ペン各種を使って目立つように縁取りしてるわ。

よく懸賞のときはこうすると当たりやすいって聞くけど本当なのかしら?

どうでもいいわね、そんなこと。

次。

ラジオネーム・ねこねこにゃんにゃんさんから頂きました。ありがと。



『みんながお便り書いているから書いたんだが、あたしは何を相談したらいいんだ?』



知らないわよ。



まあ、あえて言うなら、様々なことを体験・経験していく上で悩みは出来るもの。

悩みがないということは、今現在出来る限りの経験をしていないということよ。

もっとたくさんのことを経験することをオススメするわ。



そんなねこねこにゃんにゃんさんからのリクエストは

JAM PROJECTさんで『GONG』



……ニコニコ動画でも見ているのかしら?



今日は――もとい今年はここでお別れね。

また来年お会いましょう。

では、良いお年を。



――プツッ。



(ハイ、OKです!)

(お疲れ様でしたー!)

(お疲れ様です)



「はぁ……今日も終わりね」

――くぅぅ。

「……」

「パーティ途中で抜けたからおなかすいた…」

「途中でコンビニにでも寄っておにぎりでも買おうかしら」

「――あ、佳奈多さんにお客さんが来ていましたよ」

「――玄関でお待ちです」

「お客さん?」



………………。

…………。

……。



「あら?」

「あ、お姉ちゃ~んっ」

――ぼふ~んっ

「きゃっ、ちょっと葉留佳っ! どうしてこんなこところに……じゃなくて放しなさいっ」

「おねーちゃんフカフカ~お姉ちゃんのにおいだ~」

「佳奈多さん、お疲れ様」

「お疲れさまなのですーっ」

「直枝にクドリャフカまで…一体どうしたの?」

「お姉ちゃん、はいこれ」

「…サンドイッチ?」

「はい、佳奈多さん、パーティーを途中で抜けてしまいましたのできっとお腹がすいてると思いまして」

「僕たちで作って持ってきたんだ」

「やはは、私たちえらい? えらい?」

「う、嬉しいけど、もう遅いし…どうして…」

「佳奈多さんを迎えに来たのです~」

「迎え?」

「うん、早く帰ってパーティーの続きをしようよ」

「恭介君も姉御もみんなみんなお姉ちゃんの帰りを待ってるよ」

「待ってるって…私が終わるのを待ってたとでも言うの?」

「当たり前だよ。だって友達が一人でも抜けたらパーティーは面白くなくなっちゃうからね」

「はい~、佳奈多さんがいないと寂しいのです~」

「ほら、お姉ちゃん。ぼっと立ってないで早く帰って遊ぼ? それになななんと今日はこれからサンタさんが来るのだーっ。恭介くんだけど」

「…………」

「佳奈多さん、どうなされたのですか?」

「な、なんでもないわ」

「あれ? おねーちゃん、なんかビミョーにウルウルしてない?」

「し、してないっ」

「も、もう! みんな待ってるなら…し、仕方ないから参加してあげる」

「わふーっ、佳奈多さん待ってくださいーっ」

「佳奈多さん歩くの早いよーっ」

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