前回<かなたんでGOリスト>次回
こんばんは。
私は風紀委の委員長を務めている二木佳奈多。
それじゃあ、さっそく始めましょうか。
『かなたんでGO!』
はぁ…。
……。
っくしゅっ!
……。
もうっ。
風邪を引いてしまったわ。
ちゃんと手洗いうがいはしてたつもりなんだけど。
熱がないだけマシね。
やっぱりダイエットが…………。
な、なんでもないわ。
――っくしゅっ!
なんでこんな風邪引いたときに限って葉留佳もクドリャフカもくっついてくるのかしら。
葉留佳もクドリャフカも「お姉ちゃん、寒いから温めてー」「三枝さんばかりずるいのですっ私も佳奈多さんで暖を取りたいのですーっ」って。
はぁ…。
今日はあの子たちを放すのに一苦労よ。
最近は温度変化が激しいから、リスナーのあなたたちも気をつけなさい。
さっそくお便りを紹介するわ。
ラジオネーム・能美クドリャフカさん(本名)さんからいただきました。
え、クドリャフカ!?
……。
『佳奈多さん、こんにちは』 こんにちは。
『風邪は大丈夫ですか? 今日はとてもつらそうでした』 そんなことはないけど……っくしゅっ!
『ですので、今日はあーちゃん先輩さんにお願いして私も佳奈多さんのお手伝いに行くことにしました。ふつつかものですがよろしくお願いします』
ええ、よろしく。
……。
ハア!? ちょっと待って。
(スタッフ! まさか…クドリャフカが来てるの?)
(あ、はい。もうスタンバってます)
(じゃあ能美さん、スタジオ入りしますー)
(え、うそ!?)
ク:佳奈多さーんっ!
ク:不肖能美クドリャフカがお手伝いに参りました!
佳:……。
ク:あの~佳奈多さん?
ク:もしかして迷惑だったでしょうか…?
佳:そ、そんなことはないわ。
佳:ゲストが来るなんて打ち合わせになかったから驚いただけ。
ク:それでしたら、あーちゃん先輩さんが、『だったらかなちゃんを驚かせてあげましょ! サプライズゲストってヤツよ!』だそうです。
佳:はぁ…まったく、あーちゃん先輩は…。
佳:横にもう一つイスがある時点で気付くべきだったわね…。
佳:わかったわ。そんなところに立ってないでこっちに来て掛けなさい。
ク:はーいなのです~。
――ストン。
佳:……。
ク:……。
佳:……。
ク:……。
佳:ねえ、クドリャフカ?
ク:はい、なんでしょう佳奈多さん?
佳:私の膝の上じゃなくて隣のイスに座ってくれない?
ク:わふっ!?
ク:つい、いつものクセが出てしまいました…。
佳:そういうことラジオで言わない。
ク:ご、ごめんなさいなのです~。
佳:まあ、今日は体調が良くないのは確かだし、手伝ってもらうわね。
ク:はいっ、精一杯がんばりますっ!
佳:続いていつものコーナーに入るわ。
ク:おー、なのですっ!
佳&ク:『かなちゃんのらぶり~アドバイス』
佳:リスナーの悩みを大募集。
佳:それをこの私、二木佳奈多が解決するコーナーよ。
ク:このコーナーの佳奈多さんはとてもカッコイイのです~。
佳:そう?
ク:はいっ。問題をびしーっ、ばしーっ、と解決していく様はまるで遠山の金さんかのようですっ!
佳:例えがわかりやすいようでわかりにくいわ。
ク:がーんっ!
佳:では、一枚目のお悩み。
佳:ラジオネーム・(21)さんから頂きました。ありがと。
ク:ありがとうなのですーっ。
『能美、俺だ! 結婚してくれ!!』
ク:求婚されましたっ!?
佳:却下。
ク:しかも佳奈多さんがお断りしましたっ!?
佳:次。
ク:さらにポイしましたーっ!?
佳:ラジオネーム・銃さんから頂きました。ありがと。
ク:銃さん、さんく・ゆーっ、なのですー!
『最近寝るのが遅くなってきました。どうしたらいいでしょう?』
佳:むしろ寝なきゃいいじゃない。
ク:ダメですよ。若いうちはきちんと睡眠を取らないと背が伸びませんっ。
ク:私なんて毎日8時間は睡眠を取るようにしているのでスクスクと……。
ク:スクスクと……。
佳:育ってないわね。
ク:がーんっ! 至極直接的に言われてしまいましたっ!
佳:いいじゃない。クドリャフカはそれが…じゃなくて、それでいいと思うわ。
ク:そ、そうでしょうか…?
佳:次行くわね。
佳:ラジオネーム・匿名希望さんより頂きました。ありがと。
ク:ありがとうございますっ。
『今、私の家では怪奇現象が起こっています……』 か、怪奇現象?
『今さらなんですが中古で買ってきたDVDプレーヤーをパソコンに取り付けました。そこまではよかったんです! ですが…そこからが恐怖の始まりでした。そのDVDプレーヤーにゲームやDVDを入れると、この世のものとは思えない唸りを発しながら勝手にパソコンに画面が出てきて実行されます! 私は何もしてないのに!! これは霊的な現象なのでしょうか!?』
佳:間違いなくそれは心霊現象よ。
ク:わ、わふーっ!!
佳:そのDVDプレーヤーには、恐らく……。
ク:ゴクリ…恐らく…?
佳:TSUTAYAで借りてきたDVDを見ることなく非業の死を遂げた前の持ち主の霊がとり憑いているわね。
ク:怖いのですっ恐ろしいのですーーーっ!!
佳:そんなに腕にしがみつかない。
ク:こ、怖くてつい…。
佳:もう…怖がりね。
ク:ごめんなさいなのです……。
佳:そうね、神社でお焚き上げしてもらえば直るんじゃないかしら。
ク:お、お化けの世界もはいてく化がすすんでいるのですねー。
佳:次に行くわよ。
ク:はいっ。
佳:ラジオネーム・相川君さんから頂きました。ありがと。
ク:相川君さん、ありがとうなのです。
『この前、S・Sさんに「やあ、マイハニー」と言ったら殴る蹴るの愛情表現を受けました。本当に彼女は情熱的です。そろそろ好感度もたまってきてツンからデレになってもいいころだと思うんですがまだでしょうか?』
佳:現実見たら?
佳:次。
ク:さすが佳奈多さん、容赦がないのです~。
佳:次は……また?
佳:ラジオネーム・筋肉革命さんから頂きました。ありがと。
ク:井ノ原さんからなのですーっ!
ク:私が読んでもいいでしょうかっ?
佳:……。
ク:あの、佳奈多さん?
佳:読めばいいじゃない。
ク:?
ク:では、コホン。
『
ク:?
ク:これは楔形文字でしょうか?
佳:似てるわね…もしかして彼ってシュメール人なのかしら?
ク:わふーっ!? 井ノ原さんはシュメール人なのですかっ!? メソポタミア出身ですかっ!?
佳:彼が何人でもどうでもいいけど、とりあえず読めないから却下。
ク:私の知り合いに考古学の教授さんがいますので、今度見てもらいますね。
佳:では、名残惜しいけど最後のお悩み。
佳:ラジオネーム・女の子じゃないんだからねさんから頂きました。ありがと。
ク:女の子じゃないんだからねさん、さんきゅーなのですーっ。
『佳奈多さん、大変なことが起きたんだ!』 なによ?
『何を思ったのか、謙――僕の親友…小さい頃からの幼なじみが、誰からか勇気をもらったとか言って、ぼ、ぼ、ぼ、僕に……』
『告白してきたんだーーーっ!!』
『ど、どうすればいいかなっ!?』
佳:……。
ク:……。
佳:正直それ、引くわね…かなり。
ク:これはどうすればいいんでしょうか…?
佳:キッパリとフッてあげなさい。
ク:わふーっ!
佳:そのほうがあなたと宮沢――あ、名前出したらダメね。
佳:そのほうがあなたと彼のため。
佳:出来る限り、彼が二度と過ちを犯さないようにキツめにふればいいんじゃないかしら。
――くい、くいっ
佳:どうしたの、クドリャフカ?
ク:やはり同性同士の恋愛はご法度なのでしょうか?
ク:愛は国境を越えると言うくらいですし、性別なんていとも簡単に飛び越えてしまうのではないでしょうか?
佳:どちらかというと国境の方が越えやすそうね…。
佳:あら、ここでお時間が来てしまったわね。
ク:あっというまなのです~…。
佳:クドリャフカ。
ク:はい?
佳:今日は助かったわ。
ク:は、はいっ!
佳:では、また来週。
(ク:佳奈多さん、佳奈多さん)
(佳:どうしたの?)
(ク:あの…その…あの…えっと…)
(佳:?)
(ク:も、もしよかったらなんですけど…)
(ク:あ、頭なでなでしてほしいのです…ダメ、でしょうか…?)
(佳:…………もう、仕方ないわね)
(ク:わふ~、佳奈多さ~ん♪)
(佳:はいはい)
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