いいね!

お気に入り

文字サイズ

戻る
花ざかりの理樹たちへ その23 ~学校・午前中編~ (リトルバスターズ)
作者:m (http://milk0824.sakura.ne.jp/doukana)

紹介メッセージ:
 恭介の思いつきで始まった王様ゲームにより、理樹は……。各編はほぼ独立していますので、途中からでもお楽しみ頂けます。

閲覧数:2,651
いいね:0
お気に入り:0

前回花ざかりの理樹たちへリスト次回



「――さっきから真人を見かけないが…どうしたんだ?」



昼休み前の最後の休み時間――。

恭介が思い出したように、僕たちに聞いてきた。



「……あ」

みんな、顔を見合わせている。

「そういえば真人君、おトイレに行ったまま戻ってこないねー」

「も、もしかしたら…おトイレに閉じ込められてしまったのでしょうかっ!?」

「あいつはアホだからな。鍵の開け方がわかんなくなったんだ」

真人の恋の相談役を引き受けた小毬さんとクドと鈴は、よくわかっていなかった!

「ありゃりゃ、あんなにデカイのに気付きませんでしたヨ」

「ふむ、道理でむさ苦しさが半減していた訳だ」

「――なんだ来ヶ谷。残り半分は、俺が真人のようにむさ苦しいとでも言いたいのか?」

「うむ、ムサい上に暑苦しく…そしてウザイ」

謙吾、一瞬で撃沈。

「……井ノ原さんと直枝さんのカップリングは、ちょっと……」

西園さんは「……願い下げです」的な顔をしている。

「恭介、実はね――」



――かくかく、しかじか――

朝のこと、1時間目に真人が教室から飛び出していった事を恭介に説明した。



「――なるほどな」

「つまり真人は理樹にすっかりホの字……恋に落ちちまった、というワケか」

「う、うん……そうみたい」

さすがの僕でも、真人のあの行動を見ていれば察しが付く。

「真人君、理樹ちゃんのこと好きだったですかっ!?」

「わふーっ!? そ、そんな素振は微塵も感じさせなかったのですっ!?」

「なに!? それはほんとにほんとかっ!?」

……本当に今さらな3人組。

「しかも、これが真人の初恋だな」

「えええぇぇぇーーーっ!?」

ぼ、僕が真人の……初恋の相手!?

「なるほど、長い間一緒にいるが…真人には一切浮いた話はなかったな」

謙吾がうんうんと頷いている。

「一人の男の初恋を奪うなんて……理樹ちゃんやりますナー!」

「真人少年の初めては、理樹君か」

「やらせたのは来ヶ谷さんでしょっ!」

「ふむ、たしかに指示をしたのは私だが……理樹君が魅力的すぎたせいではあるな」

……喜べばいいのやら、悲しめばいいのやら……。



「幼なじみの初恋だ。ここはなんとかしてやりたいところだが……」

そう言いながら、恭介は僕のほうを見る。

「ふむ、真人少年が伝説の木の下で理樹君に告白…なんてどうだ?」

「いやいやいや……! 確かに真人のことは大好きだけど、そういうのじゃないし……」

「そうだな。告白されても理樹が困るし、なにより真人の淡い初恋の思い出が…ただの笑い話になっちまう」

周りから「おぉー」と声が漏れる。

恭介の思いやりにみんな感動したようだ。

「……それにマジで結ばれたら、どう接していいかわからん」

タラリと冷や汗を流す恭介。

「それは絶対ないからっ!」

「いえ、意外とお二人はステキなかっぷるになるかもしれませんっ」

「え、遠慮しとくよ……」

「俺は理樹に男らしく理樹に告白して振られたぞ!」

うわっ! どうでもいいところで謙吾が張り合ってきた!

「笑い話になっちまったな」

「どー接していいかわからん」

「ふのおぉぉーっ!?」

恭介と鈴の兄妹コンビの精神ダメージで、謙吾が轟沈した。





「そうだな……真人には恋のはじめの一歩、デートのお誘いに挑戦してもらおう」

「告白は無理だからな。ここら辺がいいところだろ?」

「うん、そうだね」

……確かに告白されても絶対に断るしかないけど、デートの誘いなら…いつもみたいに遊ぶだけならOKしてもいいと思う。



「方法はこうだ」

「まず、真人のところに恋のアドバイザーを送り込む」

「そして恋のアドバイザーは真人にデートの誘い方を教え…理樹にアタックしてもらおう」

「理樹は、真人の誘い方でどうするか決めてくれ」

「つまり真人くんにパフォーマンスを仕込んで、理樹ちゃんに評価してもらうちゅーワケですネ」

「ああ、そういうことだ」

うわっ、アドバイザー次第で真人が良くも悪くもなりそうだ。



「じゃあ、恋のアドバイザーだが――」

「はいはいはいはーい! 私やるーっ!!」

「……はい、私が現実を教えたいと思います」

ハイテンション&ローテンションで挙手をする葉留佳さんと西園さん。

どちらに任せても、惨事は免れそうにない……。

「悪いが、恋のアドバイザーは既に決定済みだ」

「……小毬と能美と鈴に行ってもらおうと思う」

かなり奇抜な人選だ!

「ほわっ!? わ、わ、私ーっ!?」

「こ、恋の相談なんて滅相もないのですーっ!」

「あの馬鹿の世話なんて、やじゃ!」

「ふむ、確か…一時間目が始まる前に『アタイらに任せな』と言っていたな」

――言い方は全然違った気がするけど、確かに言っていた。

「わふー……確かに相談なら任せてくださいと豪語してしまいました~…」

「私もだよー……」

「あ、あたしは言ってないぞ!?」

どうも3人とも、あまり乗り気じゃないみたいだ。

「ん? どうしたんだ、おまえら?」

「これは…おまえらにしか出来ないミッションだぞ」

「ふえぇ…ミッション……」

「よおーし、私がんばるよー」

「わくわくなのですーっ」

「ミッションならやらないこともない」

3人ともとっても単純だった!



「リーダーは小毬に任せる。いいな?」

「任せてよーっ!」

ポンッと胸を叩く小毬さん。

「小毬にはこれを渡しておく」

恭介がいつもの無線機を小毬さんに手渡した。

「わあ、これ一回つけてみたかったんだ~」

小毬さんはうれしそうに無線機を装着している。

「まずは真人を探し出してくれ。まだ学校のどこかにいるはずだ」

「りょーかいっ」

「ラジャー」

「まかせろ」

う、うーん…返事は最高だけど、どこか不安だ。



「……ああ、そうだ」

――来ヶ谷さんが何か思い出したようにゴソゴソしている。

「こんなこともあろうかとコレを入手しておいた」

来ヶ谷さんは2枚の紙を取り出した。

「来ヶ谷さん、これは何でしょうか?」

「筋肉ミュージカルS席チケット、2枚だ」

「わふーっ! 何やら井ノ原さん好みな雰囲気がプンプンと漂っていますっ!」

「うむ、何かに役立ててくれ」



――今さらツッコむのは、もうよそう……。


前回花ざかりの理樹たちへリスト次回

コメント
まだコメントはありません
HTML版(見られない場合のバックアップです)