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「ミッション・スタートだ!!」
「行ってくるよ~」
「あたしたちに任せろ」
「わふーっ! 初みっしょんですっー」
意気揚々とミッションへと向かう3人。
「……ホントにあの3人でだいじょぶデスカネ?」
「ちょっと心配だよね」
「なに、あいつらなら上手くやれるさ」
恭介は自信に満ちている。
――小毬さんたちが出て行ってから数分。
『――真人君いないね~』
『いないですねぇ……』
『あの馬鹿、いったいどこに行ったんだ?』
真人がなかなか見つからないみたいだ。
『ほわっ!』
『ど、どうしたこまりちゃん!?』
『じゃ~ん、ちゅっぱちゃっぷす~』
『わふーっ! 小毬さんのポッケはまるで四次元のポッケなのですーっ』
『ちょうど3つあるから、みんなで食べましょ~』
『食べましょーです』
『たべましょー』
『――がさがさごそごそ』
……みんなでお菓子を頬張る音が聞える。
「小毬ちゃんって、ぜーったい私より校則破ってるよね? ね?」
「いやまあ」
なぜだか小毬さんなら許されてしまう気がする……。
『おいしいな』
『うんっ、おいしいね~』
『やっぱりチョコバナナ味がいちばんなのですっ』
無線機の向こうでは、のほほんとした世界が繰り広げられている。
「……これはアレだな」
「謙吾どうしたの?」
「はじめてのおつかい、を見ているようだな……」
「「「あー……」」」
全員、妙に納得。
「……恭介氏、手は出すなよ?」
「だから俺はロリじゃねえって!」
「ん? 誰もロリだとは一言も言ってないぞ」
「んがああああぁぁぁぁーーーっ!? しまったぁぁぁーーーーっ!!」
……また自爆してるし。
「己に素直になれ、恭介。素直になれば自然と道が開けるぞ」
「謙吾、悪いが…己に素直になったおまえを見る限り、道を見失っているようにしか見えん」
「あははははは恭介さんのロリコンも板についてきましたネ!」
「……幼女趣味は何かと世間の目が冷たいと思いますが、新聞沙汰にだけはならないようにしてくださいね」
「恭介がどんなにロリでも…恭介は恭介だよ」
「僕はそんなありのままの恭介でいいと思うよ」
「それ慰めているようで、全然慰めになってねぇよ……うぐっえぐっ……」
「わわっ、恭介泣かないでっ……!」
――そんなやり取りをしていると。
『あれは井ノ原さんではないでしょうか?』
『うん、たしかに真人だな』
『真人君はっけーん!』
真人発見の一報が入った!
「――小毬、場所は?」
『んとね、中庭のベンチに座ってるよ~』
「よし、ここからが本番だ」
「真人の元に行き、恋のアドバイスだ!」
『よおーし! がんばるよーっ』
『みんなでれっつごー』
『『おーっ』』
なんだかんだで、小毬さんはこの3人の中じゃお姉さん的なポジションだ。
『みんな、し~っ……』
……小毬さんたちは息を潜めて真人に近づいているようだ。
『……ふえぇ? 真人君…わたぼうしタンポポ持ってなにやってるんだろ?』
『わたげを一本一本ひきちぎっているな』
『タンポポさんが可哀想だよー…』
――無線機に真人の声が入ってきた。
『――……好き……嫌い……好き……嫌い……――』
「これてまさか……」
「ああ、花占いの真っ最中だろうな」
「こりゃ重症ですナ……」
「俺には真人が純情可憐な乙女に見えてきた!」
「謙吾少年は、もっと重症のようだな」
「……井ノ原さんに花……」
「……豚に真珠、猫に小判に並ぶ新しい格言の誕生です。ぱちぱち」
ひどい言われようだった。
『――好き……きら…やべっ! 2本抜いちまった!』
『ダブル好きでいっか』
結構適当だった!
『……うずうず、うずうず』
『クーちゃん、どうしたの?』
『私、もう辛抱たまらんなのですーっ!』
『わわ!? クーちゃんっ』
『わっ、クド!?』
『わふーーーっ!!』
クドが駆けていく音が聞える!
『おわっ!? クー公! な、な、なんでここに――』
『はふ~~~っ!』
『――ぼふぁっ』
『うおおおぉぉぉーーーっ!? オレの恋が散っていくーーーっ!?』
どうやらクドが、わたげを思いっきり吹いちゃったみたいだ……。
『スッキリしましたーっ!』
『クーちゃんよかったね~』
『見ろ、わたげたちが風に乗って気持ちよさそうだ』
『うんっ、これで来年もタンポポいっぱいだよ』
『タンポポさん、しあわせそうですー』
『…クドはえらい』
『わふーっ、鈴さんにほめられてしまいましたーっ』
『ではタンポポも救出しましたし、戻りましょう!』
『れすきゅー、終了だよ~』
『ミッション・コンプリート!』
『っておめぇら、ただの通り魔じゃねえかぁあぁーーーっ!!』
『――ぶちぶちぶちっ…!』
「うわぁ、あまりの屈辱に真人が自分の髪の毛を自ら引きちぎってる音が聞えるよ…!」
「どれも等しくミッションさ」
「いやいやいや……」
「趣旨が完全に変わってるぞ」
このまま終わったら、ただ真人が可哀想なだけな気がする……。
「まあ、それもそうか」
「――小毬、本来のミッションを思い出すんだ」
『う、うーん?』
『…………』
『はわっ! 思い出したよ~…』
……本当に忘れていたようだ。
■お知らせ■(毎日更新→不定期更新)
いつもこのSSを読んでくださり、ありがとうございます!
日々のアクセス数を見て……こんなにも大勢の方に読んでいただいているのかと思うと感無量です!
また、いただいたメッセージを読んで…いつもニコニコと心温めさせてもらっています(笑)
これまで、『花ざかりの理樹たちへ』は毎日更新を目標として書き綴ってきましたが…
さすがにバテてきたので、これからは不定期更新でいこうと思います。
このSSは自分自身、「こうしちゃえ!(主に謙吾)」「こうなったら面白いかも(主に佐々美)」とかなり楽しんで書き綴っています(笑)
ここで根を詰ると、自身の妄想ライフが楽しめなくなるので不定期更新…ということで!(ぅぉぃ!)
このSSも当初はもっともっと短い予定だったのですが…作者ことmが妄想を広げるあまり、このような長さになっています(汗)
みなさんにも、この妄想世界を楽しんでいただけるのなら幸いです(笑)
――これからの予定
●真人解決(?)編(現在進めている話)
●昼休みのどっきりデート!
●体育の授業は大変です。
●二木佳奈多、推参!!
以降、放課後
放課後以降の展開はほとんど考えていないので、「誰々出してー!」などなどありましたら是非教えてください(笑)
いろいろと取り入れてお話を展開させられたら……と考えています
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