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ミディの放浪日記~閑話3 頂上血戦 -Let's capping!- (オリジナル)
作者:義歯

紹介メッセージ:
 小さな女の子が紡ぐ小さなファンタジー物語。

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閑話3 頂上『血』戦((((;゚Д゚))))ガクブル




俺達はフィオの家を出て、今は西の街に向かっている。
らしい。

「ねぇねぇイリスぅ、つぎ行くのってどこ?」

困るイリス。

「…どこ? カイ」

もっと困る俺。

「………どこ? エリアス」

「ネレイド。水の都と言われている街だ。
由来は町中に蜘蛛の巣のように流れている水路にある。
それほど水があるということはこの荒廃した土地においてそれほど裕福だと言うことだ。
以前、王国だった時期には王城もあったと言われている」

「ほう…それだけデカい都市ってーことか?」

「一般的にはそう言う」

何者だお前は。(´¬`;)

「それにね、街の中央の噴水広場!
あそこはいつも露店で賑わってるんだよー。美味しいものいっぱいっ」

「ふぇー」

ミディがフィオに歩み寄る。

「ねぇねぇ?」

「んっ?」

「フィオって、『はなよりだんご』なの?」

「…。(#´ー`)」

悪気はない。悪気はないんだろうが何かとんでもなく失礼な事を言っている気がするぞ、ミディ。

「違うぞ、ガキ」

エリアスが割って入る。

「がきじゃないもん、ミディだもんっ」

「どっちでも変わらん」

「かわるもんっ」

「…まあそんな事はどうでもいい。いいか?
こいつは何よりもまず食い気なんd」

ゴス。

「ぐふっ」

「あ~ら、ごめんあそばせ♪ つい肘が入っちゃったわ」

…つい入るようなモンじゃないと思うんだが。

「…次やったら撃ち殺す。」

「次言ったら斬るからね。」

…よくこんなんでパートナーやってられるな。
あ、他に堪えられる奴がいないってことか…。


***




-夕方-

「さってと。」

先程のことはどこ吹く風。
数分後には調子を取り戻したフィオが先頭を歩く。

…が、エリアスは未だに身体中からオーラを立ちのぼらせている。
厳然たる奴の怒りの波動を離れていても感じる。

しかし なにも おこらなかった。

別に誰が気づいてどうするわけじゃ無いからな。

「今日はこの辺でキャンプしようー」

「しようーっ」

張り切るフィオ、そしてノリについて行くミディ。

「…勝手にしろ。」

よほど肘が効いたのか、まだ根に持っているエリアス。

「イリスー、葉あったか?」

「ええ、これだけあれば足りるわよね?」

他を尻目に、着々と全員分の寝床を仕上げてしまう俺とイリス。

「ねぇカイ、わたしのどれ?」

すでに疲れたのか、自分の寝床を気にするミディ。

「ん? もう寝るのか?」

「うんっと…ゆぅにがね、もう寝ちゃったみたいなの。ほら」

頭の上を指差してみせる。
と、頭には丸くなって静かになっている毛玉が。

「あー…寝てるっぽいな、これ」

「うん、だからね、どうしようかなぁって」

「あのー」

フィオが口を挟む。

「いつも野宿の時はただ寝てるだけなの?」

「んー…そうだな。」

「疲れてるし…大体は寝てるだけかしらね?」

「ええーーーーーっ」

突然叫ぶ。…何だって言うんだ。

「そんなのつまんないよ! 何かするのがキャンプの醍醐味じゃないっ。
キミ達激しく人生損してるよ!」

何様だお前は。っていうか…キャンプじゃないし。

「なにか、ってなにするの?」

「こういう時にすることって言ったらしりとりしかないじゃない!」

…。

「何故だ(;´Д`)」

「だってこっちの遊びなんて知らないでしょ?」

あ、言われればそうだ。

「Eカードとか知ってるの?」

「…知らないけど何か嫌な予感がするから止めておく。」

「そう。賢明だね」

…賢明なのか∑(゚Д゚

「だから、しりとりしかないじゃない」

…だからどうしてそう言う結論になるのか知りたいんだが。

「まぁいいか…どうせ暇だし。相手してやろうじゃないか」

「へへっ。そう来なくっちゃ!」


***





「よっし、じゃあ始めよっか」

そう言って俺の前に座るフィオ。
………あれ?

「フィオ、ちょい待ち」

「ん? 何?」

「いや、しりとりなんだから別に2人でやらんでも…」

「そう? しりとりって言ったら普通タイマンじゃない?」

「そうかぁ~…?」

「…カイ、あなたが決めたことよ」

険しい表情をして言葉をかけてくるイリス。

「お前まで何言って…」

はッ。

「…血戦ってこれだったのかっ…」

無言で頷くイリス。
その目は俺を憐れんでいるようにも見えた。

「…俺も男だ。後戻りはしねぇさ…!」

「ふぇ…死地に行く戦士の目してるよぅ」

ミディ…あとは頼んだ…(何を


***





先手フィオ。

「んーじゃあまずはしりとりの『り』ね」

「ここからは少々会話だけでお楽しみください…だったら俺は『リス』かな」

「…どこに言ってるの? ボクは『硯』だよ」

「すずり…りハメで来やがったか。『林檎』だ」

「りんご…じゃあ『ゴジラ』かな?」

「空想科学絵本で読んだ大怪獣の名前か…まぁこれでハメはねぇだろ。
『ラッパ』でどうだ」

「甘い甘い! 『パリ』でいくよー」

「何っ…流石は名人。」

「ふっふっふー」

「だったら『理科』だっ!」

「『狩り』だね(あっさり」

「……だぁーっ! 俺のアホォッ!」

「ふふふ、降参かな?」

「…まだだ、まだ終わらぬよ!」

…………。

1時間後。

「こ、『小鳥』…」

「ありゃ。り、で来ちゃったか…」

名人と言っても所詮は人の子。ここいらが限界だろうさ…。

「んーじゃあ『倫理』!」

「…はい…?(;´Д`)」

「『り・ん・り』ね」

「カウンター攻撃っすか…(´・ω・`)」

「カイ君どうしたのかなー。降参かなー?」

くっ、降参なんかしてたまるかっ、降参なんて……!

「り…り~~~~~!!_| ̄|○」

「はーい、ボクの勝ちっと♪」

参った。完敗だ。

「見事だ、勇者よ。また相まみえる事も有るだろう…さらばだ!」

「ダーメ。」

「ぐげっ」

その場から逃げようとする俺の首根っこをガッチリと掴むフィオ。

「血戦に負けたんだからそれなりの罰ゲームくらいは覚悟してるよねぇ?」

「…ば、罰ゲームっすか?・゚・(ノД`)・゚・」

泣いて許しを請う俺。

「あ、あう…で、でも泣かせてまでやるようなものじゃないし…やっぱ無しにしよっか?」

「うう、ありがとう…っ・゚・(ノ∀゚)・゚・」

「…ウソ泣きだからやっぱアリで」

∑(;´Д`)

「ほんじゃーいっくよーん」


***





-翌朝-

…_| ̄|○

「…カイ。」

横を見るとエリアスが立っていた。

「次からはやめておくことだな。」

「…そうします_| ̄|○」

罰ゲームに何をされたかなんて聞かないでくれ…お願い(;´Д`)


閑話3 了

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