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ロ理樹ちゃんプールへ行く ~ひとつの終わり方~ (リトルバスターズ)
作者:m (http://milk0824.sakura.ne.jp/doukana)

紹介メッセージ:
 世の中には不思議が溢れている。この話もそんな不思議の一つだ。いやなに、別に信じる必要はない。ただ、朝起きたら理気が小さくなっていただけだ。女の子になって…な。

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「このこの、可愛すぎる寝顔だぞ~」

「ちょっと葉留佳、わ、私にも…さわらせて」

「……見てください、このお手々を」

「うわ~、ちっちゃいね~」

「私の方が少し大きいのですっ」

「……むにゃむにゃ……く……むにゃむにゃ」

「聞いたか。今、寝言で私の名前を言ったぞ」

「それはないな」



――ここはプールの待合室兼休憩室だ。長イスがいくつもならんでいる。

その長イスの一つに理樹を寝せている。

まるで天使のような寝顔だ。

ついついみんなで可愛らしい理樹をいぢってしまう。

……ちなみに、更衣室では小毬ちゃんが寝ている理樹を着替えさせた。

意外と器用に着替えさせててビックリしたぞ。



「――みんな揃ったな」

戻ってきた恭介は、早速アイスを咥えている。

「理樹も寝ちまったし、今日はもう帰るわけだが……」

自然と恭介の目が理樹に向く。

「なるほどな」

「……そこは重要でしょう」

「棗先輩が言いたいことはわかりました」

「ん? なんのことだ?」

来ヶ谷たちは何かわかったみたいだが、あたしにはちっともわからん。

「つまりな、鈴。寝ている理樹を、誰が抱いて帰るかだ」

「そこは重要ですヨっ!」

なるほどな…。

あたしも、理樹をめちゃくちゃ抱っこしたいもんな。

「理樹の抱っこは俺の専売特許なんだが」

「恭介氏、あまりふざけたことを口にしないほうがいい…生きていたいのならばな」

「お二人に直枝を任せるなんて、そんな危険な行為を黙認するわけには行きません。なので私が責任を持って抱っこします」

「……二木さんのその顔で言われても、なんの説得力もありませんよ?」

周りのモンモンとした空気から察するに、他のみんなも理樹を抱っこしたくて仕方ないみたいだ。

「まあまあ、みなさん」

小毬ちゃんがみんなの前に出た。

「みんな理樹ちゃんを抱っこしたいみたいだから…ここはじゃんけんで決めましょ~」





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…。

みんな体からオーラが出ているような気がする!

全員…本気の目だ!

「では、いきますっ」

「……ゴクリ」

誰かの生唾を飲みことが聞える。



「「「「「「「じゃーん、けーんっ!!」」」」」」」



「……待ってください」

と、みお。

「ふえぇ?」

「ちょっとちょっと、みおちんーっ」

「西園さん、どうなされたのですか?」

「……いえ、少し緊張してしまって」

胸をぽんぽんと叩いている。

「いや、今のストップで手を読む時間が出来た、そう考えるべきだな」

恭介は全員が出そうとしていた手の形を読もうとしているっ!

うむむ…。

さっきまで出そうとしていた手から変えたほうがいいかもしれん…。

「……もう大丈夫です」

「……気を取り直して再開しましょう」



「「「「「「「じゃーん、けーんっ!!」」」」」」」



「「「「「「「ぽんっっっ!!」」」」」」」



みんなの手は……



チョキ!

チョキ!

チョキ!

チョキ!

チョキ!

チョキ!

……グー。



一人だけグーがいたっ!

「……わたしですか?」

勝ったのはみおだっ!

「……人はじゃんけんで策を練るとチョキを出す傾向があると聞いたことがあります」

「……」

「……計画通り」

今、「ニヤリッ」っとめちゃくちゃ悪党っぽい顔になってたぞっ!?

「ふえぇ、ざんねんだよ~…」

「ざんねんなのです~…」

「いや~…みおちんだからこそアブナイ何かがあるような気もするけど」

ちなみに恭介と来ヶ谷と二木は「直前までグーだそうとしてたのにっ」とか言って、チョキを出した自分の手を握りながらのた打ち回っている。

……まあ、あいつらに任せるよりかは安全だろう。

勝ったみおはと言うと…。

――ぴと。

自分のほっぺを抱いている理樹のほっぺにくっつけた。

――すっ。

あ、離した。

「…………」

「……」

――ぴと。

またくっつけた。

「……これは……」

――ふにふにふに。

そのほっぺを小さく左右に動かす。

「……はゎぁわぁわゎ~~……」

めちゃくちゃ悦に浸っている顔だっ!!

「……カイカン……」

溶けちゃう、と言われたら信じてしまいそうなほど、ぽわぽわ~っとなってしまっているっ!





「ふむ、では帰るとするか」

みんな「今日は楽しかったね~」「また来たいのですっ」「おねえちゃん、手つないで帰ろっ」「なっ、だ、ダメに決まってるじゃないっ」とおしゃべりしながら歩き始めた。

が。

「待て待て待て」

恭介にとめられた。

「……おまえら、あえて気付かないフリしてるだろ?」

「なんのことかさっぱりわからんぞ」

……恭介があごで見たくない方を差す。



「ぐごごごごごごご……すぴぴー……ぐごごごごごご……すぴー……」

「ぐぅ…ぐぅ…朝4本…昼2本…夜3本……ぐぅ…ぐぅ……なんだバナナか……ぐぅぐぅ」

真人と謙吾が長イスでそれはそれは気持ち良さそうに寝ている!

「さっきそいつらを思いっきり蹴ったが、起きなかった。だからいなかったことにしよう」

提案してみた。

「ダメだ」

あっさり却下された。

「それはプールに寄贈することにした」

来ヶ谷の提案。

「おいおい、ナマモノを寄贈するのはマズいだろ。よってダメだ」

仕方なく真人たちの方まで戻る。



真人と謙吾は遊び疲れたのだろう。

とても気持ち良さそうに眠っているその顔は、まるで小さな子どものようだ。

「くすっ」

二木が笑いをこぼす。

「さっきまで、あんなに手がつけられないほどうるさかったのに」

「今のこの安らかな寝顔を見ると……」

「……」

「……ぶん殴りたくなるわね」

「なんか見てるだけでくちゃくちゃ腹たつな」

「遊ぶだけ遊んで寝るとは、殺されても文句は言えまい」

「……殺意が湧きます。理樹ちゃんも殺意が湧きまちゅよね~」

すでにみおはキャラまで変わってるっ。

「ぐごごごごごごご……すぴぴー……ぐごごごごごご……すぴー……」

「いびきもすっごいね」

小毬ちゃんですら若干引いている。

「真人少年のいびきを聞くだけで無性に腹が立つな」

「いびきからとめるとするか」

来ヶ谷がポケットから紙とハサミを出した。

…いつも思うが、こいつはなんで変なものばっかり持ち歩いてるんだ?

「来ヶ谷さん、それをどうするのですか?」

「まあ見ていろ」

さっきの紙を小さな長方形に切り取る。

「いびきは息を吸う時に鳴る。ゆえに」

ぴとっ。

さっきの長方形に切った紙を真人の鼻の頭にセロテープでくっつけた。

「どーなるんだ?」

「……すぴぴ~~~……」

真人が鼻から息を出すと、その紙がヒラヒラと揺れる。

そして。

――スコッ!

真人が鼻から息を吸った瞬間、さっきの長方形の紙がまるで蓋みたいにピッタリと鼻穴に被さったっ!!

「……すぴぴ~~~……」

――ぴらぴらぴら~

「スコッ!!」

「……すぴぴ~~~……」

――ぴらぴらぴら~

「スコッ!!」

「……すぴぴ~~~……」

――ぴらぴらぴら~

「ゆいちゃんすごいっ、いびきがなくなったよーっ」

「これはもしや、全人類の悩みをハサミ一本で解決してしまったのではないでしょうかっ!?」

「くるがやは、すごい」

「よせよ、照れるじゃないか」

「……井ノ原さんだけ鼻に何かつけるのは不公平な気がします。宮沢さんにも何かしましょう」

「あるとしたらこのアイスの棒、しかも当たりが出たヤツしかない」

「謙吾もラッキーだな。とりあえず入れておこう」

――ずぼっ

「次はスタンダードにこれだね」

葉留佳がペンを取り出した。

「……では、わたしも」

「額に肉は外せないよねっ」

「……こちらは、額に目です」

「……邪眼の力をなめるなよ、と」

「ひげひげ~」

「……こちらはバロック調にしてみましょう」





「……」

「……」

「……すごいことになったわね……」

「自分でやっといてナンだけど…ヤバイですネ」

「理樹が寝ていてよかったぜ……見たら引きつけ起こすところだ……」

「……わふー…直視するのが困難なのです…」

「き、きしょい」

あたしたちが見下ろす下には…。



「……すぴぴ~~~……スコッ!!……すぴぴ~~~……スコッ!!」

「……ぐぅ…ぐぅ……モヒカンでいいか……ぐぅ…ぐぅ……」

まゆげはつながってるしゴン太だし、鼻毛ともみあげはつながってるし、鼻からなんかパタパタさせてるし当たり棒出てるし、きしょいとしか言いようがないっ!!

「ぐぅ…ぐぅ……へぶしっ!!」

「うわっ、当たり棒とんできたっ!?」

もうくちゃくちゃ最悪だっ!



「こんなもん置いておいたら俺たちが逮捕されそうだな」

「…持って帰るか」

その時。

「んガァァッッ!!?」

真人が飛び起きたっ!!

「はぁ…はぁ…はぁ……窒息死する夢みたぜ……」

「あれ? なんか息苦しい気がしたが…気のせいか」

「うおわっ!? な、なんだこの第三の眼を開眼したヒゲ男爵はっ!?」

真人も謙吾を見るなりビビっていた…。

「……真人少年はずっと無呼吸だったはずだが、よく普通でいられるな」

「真人、寝起きですまんが謙吾を背負ってくれ。帰るぞ」

「……恭介、なんでおまえオレと目合わせようとしないんだよ?」





――こうして今日という一日は終わりだ。

みんなで夕焼けの道路を歩いて帰る。

今日のことをおしゃべりしながら。





理樹はそのまま、みおがあずかることとなった。

まあ恭介より断然安心だ。

理樹が小さくなったことに関しては、恭介曰く。

『今日、いきなり小さくなったんだ。なら、明日いきなり戻ってるんじゃないか?』

『なんだよその目は。わからんもんはわからないんだからしょうがないだろっ!』

だそうだ。

全く適当な奴だ。





――翌日。

「きょうすけ~」

「「「「「「「「 …………………… 」」」」」」」」

やっぱり小さいままだった!



「西園さんに絵本も読んでもらったよ~っ」

「謙吾はめがねをかけると、せめになっちゃうんだって」

「もちろんうけはきょうすけなんだってーっ」

そしてめっちゃくちゃ悪影響を受けていた!


***



■あとがき

みなさん、はじめまして&こんにちは! 作者のmです。
私が日記に描いた絵から誕生した「ロ理樹ちゃん」のSSですが、楽しんでいただけたのなら光栄です。
みなさんから寄せられたWEB拍手やコメントをいつも楽しく読ませてもらっています。
応援、心に響いております! 本当にありがとうございます。

今回のSSは…実はかなり難しかったです。
一番難しかったことは「ツッコミの理樹がいないこと」でしょうか。
このSSを書いてみて、理樹の存在の大きさを再認識しました。
理樹のツッコミがないとリトルバスターズの個性豊かなメンバーをまとめきれないのです。

今読んでいるこの話は、一つの終わり方です。
今回のSSでは多少の工夫をしています。
もし宜しければ、もう一つの終わり方もご覧ください。

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