>はんぎゃぁぁぁーーーっ!!
窓をチラリと開け、外を確認する。 ダメだ…。 もう家が囲まれてしまっている。 だが家の中も安心できない。 ヤツらは隙を見つけては家へと侵入を試みるのだ。 あ、また! 今回も追い出せたからいいものの、今日だけで5回目だ。
助けてください! 助けてください!
mは居間の真ん中で叫んだ。
はいw mの恐怖体験のごく一部ですw え、何かって? 奴らですよ……。
カメムシ、襲来!!
あひーーーっ!! そこ、もう、笑い事ではありませんよ! mだって山暮らしが長いんですから、カメムシぐらいではガタガタ騒ぎません。 けど今日は違います。 量がハンパないっ!!
『和室の? 網戸付近に!? カメの大集団!?』 『そうだ! カメの数が多すぎて、網戸が見えない! カメが七分で網戸が三分! いいか!? カメが七分で網戸が三分だ!!』
脳内に流れるオペレーターの声w いやもちろんこれは大げさですけどw 和室の網戸一枚に10匹もついてます。これ、異常(^-^; しかも、窓が閉まってるのになぜか入ってくるんですよ。 もしかしたら奴ら、短距離ワープが出来るのかもしれません。
では、同じ悩みを抱えている人にm流カメムシ取り方テクw あいつ等臭いが凄すぎて潰せないですからね…。
まずはビデオテープのケースを用意します。 で。 壁に引っ付いてるカメムシに被せます。 被せたらそのまま横か縦にスライド。 するとカメムシはケースに移動していますから、そのまま急いで玄関から飛び出し外に捨てましょうw
なぜかビデオケースの中に落ちたカメムシは飛ばないんですよ。 結構便利ですw
……最終的に、腹が立って網戸にゴキジェット撒きました(爆
>即効妄想発動!
「んじゃ理樹、オレはちょっこら走りに行ってくるぜ」 「あ、いってらっしゃい」 真人が出て行って数分後。 ――こん、こん 控えめなノックの音が響く。 「どうぞ」 がちゃり。 「入ってもいいかしら?」 佐々美さんがひょっこりと顔を覗かせる。 「うん」 「お邪魔しますわ」 慣れた足つきで部屋に入ってくる佐々美さん。 このタイミング…きっと真人が出て行くのを外で張っていたんだと思うけど。 「相変わらず片付いてない部屋ですこと」 「座っても……よろしくて?」 「断らなくてもいつものことでしょ」 「ふふっ」 ――すとんっ。 「んん〜っ」 待ってましたと言わんばかりに座わり、嬉しそうに身を震わせる。 「はあ……」 「やっぱりここが一番落ち着きますわ」 「それ、喜んでいいのか悪いのかよくわかんないから」 僕はベッドの縁に寄りかかるように座り、佐々美さんは……僕のヒザの上。 いつかの不思議な事件以来、僕のヒザの上は佐々美さんのお気に入りスポットになってしまったようだ。 「それで……で……でしたのよ」 「あれはあなたに見せたかったですわ♪」 いつものように、今日あったことを嬉しそうに話しながら、腰から前に回した僕の手を持ち上げたり触ったりして遊んでいる。 「……の?」 「聞いてますの?」 「あ、うん、聞いてたよ」 「ふーん」 「な、なに?」 「その顔、聞いてませんでしたわね?」 「うわわっ、こっ、この距離でこっち向かないでよっ」 さっきは僕に背中が向けられていたのに、今は…っ! 「何を今さら照れていらっしゃるの?」 「いや、だってっ」 佐々美さんの顔が目の前にあるっ! いつのまにか佐々美さんの腕は僕の首に回されてるしーっ! 「その慌てた顔…」 「可愛すぎですわーっ!」 ぎゅぎゅぎゅーーーっ! 「ひゃぁーっ」 「あーもうっ、好き好き好き好きっ!」 「さっ、ささ――」 「どうしていいかわかんないほど大大大大好きですわーーーっ」 じたばたーっじたばたーっ! 「わーわーわー、さ、佐々美さんっ、暴れないでよーーーっ」
そう、僕たちはあの時からお付き合いをしているのだ。 付き合っていることはみんなには内緒にしている。 合うときも細心の注意を払ってるし…きっとバレてはいないと思う。
ある日。 「――と、いうわけだ」 「何か案があるヤツはいるか?」 ここは佐々美さんと小毬さんの部屋。 今日は文化祭に何か出し物をしようと言うことで、バスターズみんなで集まったのだ。 床には真人や謙吾、恭介にクドが座り、二つのベッドの上には他のメンバー。 佐々美さんはちゃっかり僕の隣に座っている。 …………。 ……。 「だからよ、筋肉喫茶にしようぜっ」 「なにさこの筋肉馬鹿っ! ケーキ屋さんに1票っ!いや10票!」 「私もケーキ屋さんがやりたいよ〜」 「……恭介さん主催による執事喫茶の案に興味があるのですが」 「おねーさんは執事喫茶よりもキミたち中心のコスプレ喫茶が見たい」 「ふみゃーっ、なんでくるがやはあたしとみおを抱いてるんだーっ!」 「……あの、暑苦しいのですが」 「はっはっは、おねーさん今、天にも昇る心地というやつだぞ」 「わたくしも……その、あの、コスプレ喫茶が見たいですわね」 「わふー…私は筋肉喫茶も面白いかと思うのです〜」 「生憎だが、俺の案『ザ・リンボーダンス』は譲らんぞ」
……。 話は見事に平行線を辿っていた。
「うーん、なかなか決まらないね〜」 「……埒があきません」 「うあーっ、ダメだねこりゃっ」 ぽふーん、とベッドに寝転がる葉留佳さん。 「難しいのです〜っ」 クドも床の上でクタッとし始めた。 「私もお布団が呼んでます〜」 小毬さんはベッドに転がって縮こまっている。 「もーこのさいなんでもいいだろ」 「……わたしもそんな気分です」 「お、重いんだが」 鈴と西園さんなんて来ヶ谷さんに寄りかかってるし。 「ふぁあ……」 大きなあくびをする佐々美さん。 「なかなか決まらないものですわね」 ――すとっ。 佐々美さんも横になった。 「……え?」 が!! 佐々美さんがいつものように枕にしたのは…… 僕のヒザだっ!! い、いつものクセでついついやっちゃったんだっ!!
……………………。 部屋全体がまるで液体窒素に入れられたように凍りついた!! みんなの「オイオイオイ、こいつら何やってるんだ!?」的な目線が突き刺さる!!
「……?」 佐々美さんは一瞬不思議そうな顔をしたが 「あっ、はっ…しまっっっっーーーーっ!?」 瞬時に気付いて飛び上がった!
「さ、さ、ささささささーーーーっ!? おっ、おおお、おまえ、ななななっ、なななんっ!?!?」 「いえ、こ、これはっ」 「ふかぁぁぁーーーっ!!!」 「わ、わふーーーっ、り、鈴さん落ち着いてくださいーっ」 「だ、だって今、理樹がっ理樹がひざでささささふかぁぁぁぁーーーっ!」 鈴はもはや言葉になってないっ!! 「け、けど、いま、理樹君のヒザに…ほわぁぁぁーっ!」 目が真ん丸で顔を赤くしている小毬さん! 「なっ、なんだ今のまるで日常生活の一部の動作であるかのような自然さは!?」 来ヶ谷さんですら驚いている! 「……しかもあの照れ屋で有名な直枝さんが……ごく自然に受け入れましたっ」 う…西園さんの観察力は相当だっ! 「うおおおおーーーっ、理樹オレにも膝枕してくれぇぇぇーーーっ」 「そうだそうだ! 笹瀬川がいいなら当然俺たちだっていいはずだっ」 「え、ちょっと待ってよっ!?」 「待て待て待て! ここはまずリーダーの俺じゃないのかっ!?」 「いいからさっさと放せよっ、謙吾っ」 「離してたまるかぁぁぁーっ」 「おっと、いただ――」 「「そうはさせるかっ!!」」 男性陣に至っては、なぜかこれを好機と捉えてしまっている!!
もちろんこの後は話し合いなんて行なわれず、僕らに厳しい尋問が待っていたのであった。
ぐは!? 長すぎてごめんなさいっ!! 本当はヒザの上の佐々美の話だけだったのですが、指が、指がっ!! えーっと。 ダメだこりゃ! by 長さん  ホームページへ |